元徴用工らへの賠償を命じる判決や、日本が韓国への「ホワイト国」解除をめぐり日韓関係が悪化する中、両国の論客が2019年7月24日に東京・丸の内の日本外国特派員協会でそろって記者会見し、「日韓危機に考えられる解決策」をテーマに議論を戦わせた。
外交官出身で、韓国での駐在経験もある自民党の松川るい参院議員は、ホワイトリスト除外問題は徴用工問題への対抗措置だとの見方を否定した上で、そもそも韓国が輸出管理体制を充実させるべきだと主張。恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)教授は、日本が「一方的に貿易規制措置を報復として」行ったと主張。議論は平行線をたどった。
松川氏「この約3年間にわたって輸出管理当局間の協議が行われず...」
松川氏は、そもそも韓国が「ホワイト国」指定され、その状態が続いてきた経緯を
「通常兵器のキャッチオール制度(編注:食料品などを除く全品目のうち、当局が指定する個別の輸出案件について審査を求める仕組み)が未導入であるとか、韓国の輸出管理制度に不十分な点がもともとあった。(日韓の)二国間の政府間対話が定期的に行われることで、輸出管理当局間で『きちんとやってくださいね』『どうなってますか』といった情報交換や要請をすることによって、韓国の輸出管理制度の不十分な点を補いつつ、信頼関係を前提としつつ輸出管理制度を運用してきたのが、これまでの実態」
などと説明。指定解除の経緯については
「日本の申し入れにもかかわらず、この約3年間にわたって輸出管理当局間の協議が行われず、韓国側が制度や運用を改善するとの確認が取れない状況が続いている。また、その改善も見込まれない。こうしたことから今回、安全保障を目的に輸出管理を適切に実施する観点から運用を見直すことにした」
と説明。徴用工問題との関係については、
「タイミング的に対抗措置に見えてしまったことは遺憾。違うんです」
とした。