萩尾望都「締め切りに追われてたらいつの間に...」 デビュー50周年「ポーの一族展」開幕

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   マンガ家の萩尾望都さんの画業50周年を記念した企画展「デビュー50周年記念『萩尾望都 ポーの一族展』」が2019年7月25日から8月6日まで東京・松屋銀座で開催される。

   24日には開催に先立ち萩尾さんと、元宝塚歌劇団花組トップ娘役・仙名彩世さんによるプチトークショーが行われ、萩尾さんの50年間のマンガ家生活や、18年上演の宝塚版「ポーの一族」にまつわるエピソードが語られた。

  • 萩尾望都さん(左)と仙名彩世さん(右)
    萩尾望都さん(左)と仙名彩世さん(右)
  • 展示されている原画の美しさを語る萩尾さんと仙名さん
    展示されている原画の美しさを語る萩尾さんと仙名さん
  • 宝塚版「ポーの一族」の衣装や小道具も展示される
    宝塚版「ポーの一族」の衣装や小道具も展示される
  • 萩尾望都さん(左)と仙名彩世さん(右)
  • 展示されている原画の美しさを語る萩尾さんと仙名さん
  • 宝塚版「ポーの一族」の衣装や小道具も展示される

エドガーとアランは「声が聴こえてくるよう」

   萩尾さんはマンガ家デビュー以来の50年間を「毎月毎年締め切りに追われて描いていたら、いつの間にか50年経ちましたって感じで」と振り返り、「まだまだ描きたいものもあるので、これからももう少し頑張っていきたいなと思います」と意欲を見せた。

   本展でも多数の原画が展示される代表作「ポーの一族」(1972年連載開始)については、

「もともと幻想系の話が好きだったのですけど、自分でもこんなに現実から遊離した幻想が好きだったのだなと、次々と(ポーの一族の)話があまり苦労しなくて生まれていくので、吸血鬼っていい題材を見つけたなと思いました」

と連載当時を振り返った。作中のエドガーとアランについて「連載開始から本当によく動いてくれて、ずっとエドガーとアランでおしゃべりを続けていて、ちょっと耳を傾けると声が聴こえてくるよう」と語り、1976年に一旦連載が終了した後、2016年から40年ぶりに新作を描き始めたことについては、

「再開してみたらたくさんの読者の方に読んでいただいて、また昔と同じくくらい楽しいので、キャラクターたちに『ごめんねこれまで放っといて』と謝りたいくらいの気持ちで、これからも描いていきたいです」

と衰えない創作欲と愛着を語った。

仙名彩世、役作りは「人間ではないので...」

   「ポーの一族」は18年に宝塚歌劇団花組により上演されて好評を博した。当時トップ娘役としてシーラ・ポーツネル役を演じた仙名さん(19年4月退団)もゲストとして登壇、

「人間ではないバンパネラ(吸血鬼)の役ですので、どういった感覚なんだろう、身体の中にどんなものが渦巻いているんだろうと(宝塚版で役を演じた)一家で、バンパネラとはどういうものなのかと想像を膨らませて...」

と役作りの思い出を語り、萩尾さんも「台風のような愛に押し寄せられて...」と宝塚版に圧倒されたことを語っていた。

   仙名さんはまた、本展で展示されている原画について

「あまりにもマンガが美しすぎて...まだ鉛筆の線が残っているような、先生がじかに描かれたものに触れて、こうやって息づいていたものを演じることはとても難しかったのですが、やっぱり原作の力というものはものすごく大きいのだなと実感しました」

と感嘆していた。

   「デビュー50周年記念『萩尾望都 ポーの一族展』」では、「ポーの一族」「11月のギムナジウム」「トーマの心臓」など萩尾さんの50年間の代表作の原画や、宝塚版「ポーの一族」の衣装や小道具が展示される。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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