広島・緒方孝市監督(50)の鉄拳制裁が波紋を広げている。広島は2019年7月24日、緒方監督が6月30日のDeNA戦の試合後に、野間峻祥外野手(26)を平手で数回叩いた事実を発表した。緒方監督の鉄拳制裁に対して球団は7月15日付けで厳重注意処分とした。緒方監督は同日の試合前にナインをはじめとするチーム関係者の前で謝罪をしたというが、リーグ4連覇を目指す指揮官の暴力事件に球界に衝撃が走った。
怠慢プレーに鉄拳制裁 常習性は認められず
問題のプレーとなったのは、6月30日の延長11回、2-2の1死場面。野間は投手前にフライを打ち、これをノーバウンドで捕球されると判断して1塁への全力疾走を怠った。だが、投手はこの打球をノーバウンドで捕球出来ず結果は投手ゴロに。野間は緩慢走塁のため1塁アウト。チームはこの試合、引き分けに終わり、試合後に緒方監督が野間に鉄拳を振るった。
球団によると、緒方監督の暴力行為は常習性がないと確認したという。ただ、この暴力事件に関しては様々な疑問が指摘されている。6月30日に起こった事件が、半月後の7月15日に処分が下されたことや、処分の発表が9日後の24日になされたことなど、球団の対応が後手に回ったことは否めないだろう。ネット上では緒方監督を擁護する声や批判の声など様々な反応がみられる。
常習性が認められなかったとはいえ、緒方監督の鉄拳制裁は多くの鯉党に衝撃を与えたようだ。「被害者」である野間本人は多くを語らず、球団に一任する意向を示している。逆転優勝へ向けてチーム状態が上向いてきた矢先の事件発覚に、鯉党から心配の声が上がるが、それに加えて不安視されるのが緒方監督の求心力の低下だ。この事件により、今シーズンはもとより今オフ以降のFA(フリーエージェント)に影響を及ぼしかねない。