闇営業問題で辞任しないとの吉本興業社長の発言を受け、所属芸人の加藤浩次さん(50)は、体制が変わらなければ吉本を退社すると改めてテレビで明言し、ファンらから心配する声が出ている。
この問題で、加藤さんは吉本トップと直談判。どうなるのだろうか。
出演番組の中で、吉本に見切りつけたような発言
同じ所属芸人の宮迫博之さん(49)、田村亮さん(47)が会見で吉本への不満をぶつけたことで、加藤さんの気持ちが動いた。
「本来はお笑いをやらないといけない人間たちが、涙を流しながら、会見をやらないといけない。これは本当に悲しくて、辛かった」。2019年7月22日放送の日テレ系「スッキリ」で、司会の加藤さんは、宮迫さんら仲間2人への思いを語り、こう会社への怒りを露わにした。
そして、加藤さんは、所属芸人たちが岡本昭彦社長(52)や大崎洋会長(65)を怖がっているとして、「この体制が続くなら俺は辞める。この取締役が変わらないなら辞める」と吉本退社の考えを切り出した。
その後の岡本社長会見を受けて、加藤さんは翌23日の「スッキリ」で、トップ2人が辞めないなら自分は辞めると改めて強調し、同日夕に大崎会長と会って伝えると明かした。岡本社長は、用事で来ないという。
番組で話す中で、加藤さんは、「社長から家族みたいと言われたことは一度もない」と批判し、さらに副社長の会見発言にウソがあったとまで主張した。「テープを録ってるのとちゃうの?」との岡本社長の発言について、副社長は、その状況を会見で説明していたが、田村亮さんに聞いたところ、その場に副社長はいなかったという。もはや吉本に見切りを付けたような加藤さんの発言に、ニュースのコメント欄などでは、様々な意見が交わされている。
ほかにも同調希望の動きあるが...
好意的な声は、会見前同様に多く、「加藤の男気はすごいと思う」「加藤には筋を通して欲しい」「芸能界がどう変わるかが少しは見えてくる」と期待する書き込みが次々に寄せられた。
一方で、吉本を辞めた後の活動を心配する声がファンから出たほか、加藤さんが感情的になることを諫める向きもあった。相方が吉本を退社した後、加藤さんを使い続けた会社への配慮も大事だとし、「もう少し冷静に考えて判断した方が良い」といった声も漏れていた。
吉本の事情を知る芸能関係者は7月23日、加藤さんの今後について様々な可能性があるとJ-CASTニュースの取材に話した。
「加藤さんは、北海道出身で東京チーム、大崎会長や岡本社長らは、大阪チームの方。もともと両者は、仲がよくないんですよ。ダウンタウンの松本人志さんら大阪の芸人たちとも、距離感があります。今回、辞めると言い出したのは、ずっと思っていたこともあると思います」
そのうえで、1つの選択肢として、加藤さんとマネジャーが吉本を辞めて、個人事務所で自らのマネジメントをする方法があるとした。その後に、どこか移籍先を探すこともありうるわけだ。東京チームからは、加藤さんと行動を共にしたいとの芸人もいるが、マネジャー1人の現状では難しいのではないかという。
「松本カンパニー」移籍の可能性は?
加藤さんは、22日の「スッキリ」で、松本人志さんを中心に新しい会社を作ってほしいと明かしており、松本さんが吉本の取締役に名を連ねることも考えられると前出の芸能関係者は言う。その場合、ブッキングについては、吉本が協力することもできるとした。
2つ目の選択肢としては、松本人志さんが松本カンパニーを吉本から分社化させて、そこに移る方法を挙げた。あるいは、他の吉本の子会社に移籍するのもありうるかもしれないという。ただ、「加藤さんがそれをよしとするかについては、疑問の余地はあります」と指摘した。
一方、松本カンパニーについては、宮迫さんや田村亮さんが所属する可能性があるとみている。松本さんが中心になって、2人の救済方法を考えるとみられるからだ。
もっとも、岡本社長が辞めるなど体制が変われば、吉本所属に留まる可能性はあるとしている。
加藤さんは23日18時前、都内の吉本興業東京本部に入った。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)