またも巨人が...。後半戦に入り失速気味の巨人は、2019年7月19日からマツダスタジアムで行われた広島との3連戦に全敗。
エース菅野智之投手(29)で臨んだ初戦は5点のリードを投手陣が守り切れず6-7で逆転負けを喫した。2戦目は打線が10安打を放ちながらもわずか2得点に終わり、この試合も逆転負け。延長戦までもつれこんだ3戦目は9回の1死満塁の好機を生かせずサヨナラ負けを喫した。
原監督の記者会見は1分足らずで終了
天敵にまたしてもやられた。4年連続で負け越している広島に3タテを食らい、今シーズンの対戦成績は4勝9敗1分。初戦、エース菅野で勝利して広島の自力Vを消滅させる青写真もまさかの逆転負け。自力V消滅どころか、崖っぷちの広島を勢い付かせる結果に。2位DeNAに7ゲーム差をつけて首位を快走するも、3連敗を受けて原辰徳監督(61)は怒りを隠さず、21日の試合後、恒例の記者会見は1分足らずで切り上げるほどだった。
一時は5位に転落した広島だが、この3連勝で3位に浮上。2位DeNAと2ゲーム差、首位・巨人とのゲーム差を「9」に縮めた。今シーズンはここまで、チームの好不調の波が大きく、順位の変動も大きい広島だが、5月の大型連勝にみるチーム力は決して侮れない。選手個々の実力はリーグトップクラスで、打線はいったん波に乗れば手が付けられないほどの破壊力を誇る。
広島は開幕から5カード連続で負け越し、今シーズンは最悪のスタートを切った。投打がかみ合わず一時は最下位に低迷していたものの、5月には11連勝をマークし、球団の月間勝利数を更新する20勝を挙げた。怒涛の快進撃の大きなきっかけとなったのが4月17日に熊本で行われた巨人戦だ。9回、石原慶幸捕手(39)の勝ち越し打で逆転に成功し5-4で勝利。連続負け越しを5カードで止め、これを機に8連勝した。
依然「まとまれば本当に怖い」広島
在京球団関係者は「この3連勝で広島が調子を上げてくるのではないかと、他球団から不安の声が上がっています。4月のこともありますし、また巨人が広島を勢い付かせてしまった感がある。今季の広島はちぐはぐな試合運びが目立ちますが、チームがまとまれば本当に怖い。広島の強さはセ・リーグのどの球団も分かっているし、巨人が一番分かっているはず。とどめを刺すはずが逆にやられてしまっては...。他球団は広島を脅威に感じているはず」と指摘する。
実際、広島ナインの中には、4月17日の巨人戦以降、チームの雰囲気が変わったと口にするものも。一時は2以下に10ゲーム以上もの差をつけて首位を独走していた巨人だが、この3連敗で貯金は減る一方。2位から5位までの4球団が3ゲーム差以内にある。混戦極める中、巨人は一番恐れる天敵をまたも目覚めさせてしまったのか。鯉の逆襲が始まる予感が...。