今年度の京都大の学園祭「11月祭(November Festival・NF)」で、飲酒が全面的に禁止された。NF事務局が2019年7月17日、公式サイトで発表した。
背景には度重なる飲酒トラブルがあるが、事務局は「大学当局の介入の影響が存在した」として、決定プロセスに不服を唱える。
「未成年者の飲酒も発覚した」
NF事務局の発表文によれば、近年、参加者の過度な飲酒により、暴力行為や物品の破損などが多数発生している。救急搬送者も多く、「消防署や病院は大きな負担を強いられ、正常な業務に支障をきたしている」「過去には一時的に意識不明になった参加者も存在し、飲酒に起因した死者が出かねない状況である」と危機感をあらわに。17年のNFでは、事務局スタッフが泥酔者に注意したところ、ビンで殴られるトラブルも起きた。
18年には飲酒できる時間帯を制限したが、「規則に従わない参加者がおり、未成年者の飲酒も発覚した」と効果は限定的だったという。
以上を踏まえ、今年度のNFでは飲酒は全面的に禁止すると宣言。しかし、(1)この宣言採択に際し、大学当局の介入の影響が存在したことをここに確認する(2)11月祭は『「学生らによる自主的・主体的11月祭」宣言』にある通り、学生の自主的、主体的なものであり、大学当局の介入は容認できない行為であることをここに確認する――などと、大学側の干渉もあったと明かしている。
大学側の見解は?
NF事務局は7月19日、J-CASTニュースの取材に「大学側の窓口において口頭で『全面禁酒でないとグラウンド等の施設の貸出ができない』との旨の話を受けました」と説明。「企画登録などの実務的な観点から早急に対策を決定する必要があった」ため、議論が足りないまま「全面禁酒」に踏み切らざるをえなかったという。大学側には来年以降、建設的な議論ができるよう要望する。
京都大広報課は22日、取材に対し、「学生が自主的に決定したことですので、大学として特に回答することはありません」と答えた。