吉本興業の岡本昭彦社長が2019年7月22日、所属芸能人の反社会勢力への闇営業に端を発する一連の騒動についての説明を行うべく、記者会見を開いた。
会見では、20日に自主的に会見を開いた宮迫博之さん(49)と田村亮さん(47)が、「テープ回してないよな」「会見を行ったら全員連帯責任でクビにする」などと言われたとする主張を行ったため、岡本社長がこれらのことにどのように反論するか、また、新たな情報が出てくるかなどが注目された。しかし、会見ではそれらの予想とは大きく外れ、岡本社長のかみ合わない回答が目立つ結果となった。
場を和ませようという意図で「テープ録ってんちゃうの?」
会見で岡本社長は「テープ発言」について、場を和ませようという意図があったとしつつ、「冗談で『テープ録ってんちゃうの?』と言った」「全く受け入れられることなく、笑いは起きなかった」と説明。相手の緊張を解きほぐすためにギャグを放ったが、滑ってしまったとの認識を示した。
また、「クビ発言」については、「父親が息子に『勘当や』と言うようなものだったが、結果として相手に伝わっていない。僕が思ってる距離感と、彼らが思ってる距離感にギャップがあった」と解説。さらに、これらのやり取りの際に併せて出てきたとされる「俺にはお前たちをクビにする力がある」という発言については、
「僕の全くもってダメなところなんですけど、怒ってしまうときに、標準語で『クビにする力があるんだぞ!』とは怒りながらは言えないと思います。ただ、(関西弁で)『クビや!』とか、そういったことを言ったことはありますが、それは、非常につらい思いをさせたということで、申し訳ないという風に思っております」
と、実に歯切れの悪い回答を示した。
宮迫・亮への処分は撤回
会見ではこのほか、宮迫さんと亮さんが20日に会見を開いたことについて、「あのような記者会見をさせてしまったことに対して、深くお詫び申し上げます。非常に辛い思いをさせてしまった」と謝罪。併せて、2人に対して行った処分については撤回し、「戻ってくるようなことがあれば、全力でサポートしていきたい」と明かした。
なお、騒動の発端となった入江慎也さん(42)については、「直接(反社会勢力と関わった)ということで、処分を変えるつもりはない」と明言。また、20日の会見で宮迫さんの口から飛び出した、宮迫さんが参加したパーティーの主催団体について、入江さんが「吉本のイベントについてくれるスポンサーですから、そこは安心です」と説明したことについては、(同イベントは)吉本の制作ではなかった」と回答した。
「絶対に笑ってはいけない謝罪会見24時」
時に度肝を抜くような説明がなされた岡本社長の会見には、吉本に所属する芸人がSNSを通じて驚きの声を多数投稿。エハラマサヒロさん(37)はツイッターで「冗談...」「和ませようと...?」と、驚きが止まらない様子であるほか、「学天即」の奥田修二さん(37)は、「芸人は、本気と冗談を見分けられます。だから芸人なんやもん」と、岡本社長の「テープ発言」「クビ発言」に疑問を呈した。
また、会見を見た視聴者からは、岡本社長の説明にあきれたとの声が続々。その中でも多いのが、「絶対に笑ってはいけない謝罪会見24時」「ヘイポーの謝罪文より酷い」「岡ちゃんはやめへんで~」といった、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」(日本テレビ系)になぞらえたツッコミが続々だ。
岡本社長は元ダウンタウンのマネージャーで、たびたび「ガキ使」にも出演。副社長の藤原寛氏も元マネージャーで、年末恒例の「笑ってはいけない」の進行役として知られている。想像を絶する展開となった記者会見が巻き起こした波紋は、しばらく収まりそうにない。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)