時速360キロ、バッテリー稼働... 東海道新幹線で続く「実験」は何を目指す?

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   2019年に入り、東海道新幹線では興味深い実験が次々と行われている。しかも、中には世界初の試みも。

   今回はそれらの実験の内容と目的を解説し、新幹線の海外輸出についても触れてみたい。

  • さらなる進歩を目指して…東海道新幹線の努力は続く
    さらなる進歩を目指して…東海道新幹線の努力は続く
  • さらなる進歩を目指して…東海道新幹線の努力は続く

夢のある実験から世界初の試みまで

   2019年7月現在、東海道新幹線の営業最高速度は285km/h、日本の鉄道における営業最高速度は東北新幹線の320km/hである。一方、最高速度の向上を目指す努力は続けられている。

   今年5月、東海道新幹線で行われた速度向上試験で最高速度360km/hが達成された。使用された車両は2020年デビュー予定のN700S。通常、新幹線は16両編成中モーターを搭載した車両は14両になるが、今回の実験では16両すべてにモーターが搭載され、米原~京都間の下り線で360km/hに到達した。

   7月10日にはN700Sを使った自力走行試験を行った。高速鉄道でバッテリーによる自力走行は世界初の試みである。通常、新幹線は屋根に取り付けられたパンタグラフから電力を得てモーターを動かす。しかし停電が発生すると、新幹線は立ち往生するだけでなく空調設備や水洗トイレも使用不可に。乗客に多大な負担をかけることから、大きな課題であった。

   今回の実験では16両編成のうち4両にリチウムイオン電池を搭載。リチウムイオン電池から電力を得ることで新幹線を動かし、30km/hの自力走行に成功した。なおリチウムイオン電池はパンタグラフから得た電力で充電する。

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