「キリン一番搾り」なぜ絶好調 「お客様第一主義」を貫いて見えた「今求められる価値」とは

提供:キリンビール

   「とりあえずビール」と聞いたら「昔の時代」と思う人も多いかもしれない。それほどビール離れといわれる昨今にあって、好調な売れ行きを続けるビールがある。キリンビールの「一番搾り」缶である。

   今春リニューアルを実施すると、大成功。絶好調の売り上げでスタートダッシュを切った。それは「お客様第一主義」という改革の成果でもあった。キリンビールに何が起きているのか。躍進の背景には、2015年に就任した布施孝之社長が進めてきた「布施改革」があった。

「ちょっとおいしいものを味わいたい」気持ちを満足させる

   ビールはどんな時に飲むだろうか。仕事帰りの飲み会で、週末に友人同士で集まって...もちろんこうした場にも欠かせない。だがキリンビールが考える現代の「ビール像」は、「ちょっとおいしいものを味わいたい」「日々の幸せを実感したい」という気持ちを満足させる飲み物だ。

   現代はワークライフバランスの意識向上、共働き世帯の増加、中食市場の充実、働き方改革などを背景に、ライフスタイルが変わっている。キリンビールはこうした時代の変化と向き合い、一番搾りの4月のリニューアルにも反映。売上増につなげた。

   この数年、キリンビールを貫く明確な戦略があった。今回も、そして前回17年のリニューアルでも大事にした「お客様第一主義」の考え方だ。これを主導してきた人物こそが布施社長。19年7月8日に開いたラウンドテーブルでこう語る。

「会社都合ではなく判断基準はお客様に。そしてお客様に最も近い現場が主役の会社にする。これは繰り返し伝えている。全社員が『自分もまずかった』と思うようになったのが変革のスタートだった。」

   

「布施改革」とその結果

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   「変革」――そう述べたとおり、15年に就任した布施社長は大胆な改革を実行してきた。自ら現場を巡回する中で、目先の利益や会社都合の判断が多いこと、本社と現場の関係が良くないこと、これらが絡み合って統一した戦略がないことを痛感。組織として見ている先が、必ずしも「お客様」ではなかったのである。

   最も変わった組織はマーケティング部門だ。布施社長は外資系企業で辣腕を振るっていた山形光晴氏の能力を買い、41歳の若さで同部部長を任せた。社内の慣習にとらわれず「お客様」を第一に考える姿勢もマッチした。結果、上層部の意向に左右されず、主語に「お客様」を据えてニーズをつかもうとする姿勢、過去の失敗と真摯に向き合い学ぶ風土、現場を知る営業部とのコミュニケーション増につながる。

   お客様はビールに何を求めているのか――? 原点回帰とも言えるこの疑問にもう一度正面から向き合った。そして、マーケティング調査や営業の中で見えてきたのは、ビールカテゴリーに求められる価値は「おいしさ」だということだった。


「10年後も選ばれるブランドを育てる」

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   一番搾りはこの「おいしさ」を徹底重視した。17年のリニューアルでは、麦本来の旨みが感じられる調和のとれた雑味のない味わいをめざし、19年のリニューアルでは麦の旨みをさらに追及した。立て続けの刷新で飲みやすく、飲み飽きないビールを突き詰め、発売後の調査では98.3%から「おいしい」との評価を得た(※注1)。

   これが、上記の売上増として今まさに結実している。ビールの主な消費者層である40~50代の間口拡大だけでなく、20代の5月の購入者伸び率は前年比140%超え。若年層の支持も得ているのは、新規ファンの獲得にも成功していることの表れと言える。「おいしさ」が支持されていることを受け、ビールの需要があがる7月は前年比13%の増産を予定している。

   「10年後も選ばれるブランドを育てる」。布施社長が掲げるこの方針を最も象徴するのは、生まれ変わった一番搾りだろう。「一番搾りを日本のビールの本流にし、ビールブランドのナンバー1を目指す」という目標を達成するのは、そう遠くないかもしれない。


※注1:2019年6月キリンビール調べ。インターネット調査による。(n数=1639)


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