9.11テロを「誰かが何かをした」と表現
さらにアンソニーは、イスラム教徒のイルハン・オマール議員が2001年9月11日に起きた「ニューヨーク同時多発テロ事件」について、「some people did something(誰かが何かをした)」と軽んじた発言をしたと、批判する。
オマール氏はアフリカ東部ソマリア出身。あのテロ事件のためにイスラム教徒が言論や思想の自由を奪われ、それを擁護する団体について同氏が2019年3月に触れた時のことだった。
「ニューヨークポスト」紙は、炎に包まれる世界貿易センターの写真に、「Here's your something(これがあなたの言う何かだ)」と見出しを付け、一面で大きく報じた。
トランプ氏は、「WE WILL NEVER FORGET!(我々は決して忘れない!)」と添え、オマール氏の発言と同テロ事件を組み合わせた画像をツイートした。
これに対して共和党支持者を中心に、「オマール氏はアメリカを愛してなどいない」、「これでアメリカ人と言えるのか」と強い非難の声があがった。
オマール氏と、親がパレスチナ移民のラシダ・トレイブ氏は、イスラエル非難の発言が「反ユダヤ主義的だ」と批判されてきた。これに対し、「私たちはシオニズムに反対しているのであって、ユダヤ人に偏見を持っているわけではない」と反発している。
2019年7月、プエルトリコ出身の親を持つアレクサンドリア・オカシオコルテス氏は、他の女性議員らとメキシコとの国境近くの不法移民収容施設を訪れ、「米国旗のもと、移民たちが劣悪な扱いを受けている」と発言した。オカシオコルテス氏は、不法移民の取り締まりに当たる移民・税関捜査局(ICE)の廃止を訴えている。
ペンシルベニア州ピッツバーグに住むエレナ(30代)は、首を傾げる。
「アメリカは移民の国だから、来たい人は誰でも受け入れろと言うの? 彼女たちが唱えるのは、きれいごとよ。仮に収容施設の環境が劣悪というのなら、それはトランプ政権で始まったことではない。不法移民より、貧困にあえぐ市民を何とかすることが、最優先でしょう」