反社会勢力の絡んだ「闇営業」問題を受け、お笑い芸人の宮迫博之さんと田村亮さんが2019年7月20日に開いた会見。冒頭、2人は約15秒にわたって頭を下げ、一連の騒動について謝罪した。
だが、会見の中で2人が口にしたのは、謝罪の言葉だけではなかった。吉本興業側に対し「不信感」を露わにしたり、一方で「育ててくれて感謝しかない」と述べたり、複雑な心中をうかがわせていた。
「お前ら全員クビにする力があるんだ」
会見冒頭、宮迫さんと田村さんは「本当に申し訳ございませんでした」とそろって謝罪。とくに、「闇営業」で金銭を受け取っていないという虚偽の説明をしたことについては、
「今回の騒動は、僕の保身からくる、軽率な嘘から始まっています。そのせいで、後輩たちも巻き込んでしまいました。僕の責任、僕のせいです」(宮迫さん)
「僕の弱い部分のせいで、人としてダメな部分のせいで虚偽の説明をしてしまいました」(田村さん)
と自らの非を認めたうえで、それぞれが目に涙を浮かべ、声を震わせながら謝罪の言葉を重ねた。
だが、この日の記者会見が開かれるに至った「経緯」について話が及ぶと、2人の声色が変わった。会見での説明によると、田村さんは吉本側に「記者会見をやらせてほしい」「事務所を辞めてでも会見をしたい」などと何度も要望していたが、
「駄目だ。記者会見をさせるつもりはない」
と拒否されたという。
さらに、吉本興業の社長に会見の要望を直接告げたところ、「お前ら、テープ回してないやろな」と確認されたうえで、次のように告げられたという。
「亮、ええよ。お前やめて1人で会見したらええわ。やってもええけど、ほんなら、全員連帯責任で首にするからな。それでもええんやったら、記者会見やれ。俺には、お前ら全員クビにする力があるんだ」
宮迫さんによれば、こうしたやり取りがあったのは6月24日。吉本興業は同日、「闇営業」に関係した芸人11人を謹慎処分としている。