安倍氏へのヤジは「演説妨害」だったのか 札幌「排除」問題、警察OBと弁護士の見解割れる

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「表現の自由への権力による不当な弾圧」と見る専門家も

   だが、弁護士法人・響の藤田圭介弁護士は、今回の警察の行為について次のように「不当な弾圧ととられかねない」という見方を示す。

「確かに、公職選挙法225条2号では、『演説を妨害』した場合は、選挙の自由妨害罪にあたるという規定はあります。

しかし、判例上、同条の『演説を妨害』といえるためには、他の野次発言者と相呼応し、一般聴衆がその演説を聞き取り難くなるほど執拗に自らも野次発言あるいは質問などをなし、一時演説を中止するも止むなきに至らしめることが必要であるところ、本件の聴衆の男性が『安倍やめろ』と野次を繰り返し飛ばした行為や、聴衆の女性が『増税反対』などと叫んだ行為は、単独でかつ肉声のみで行われた行為であることからすると、『演説を妨害』したとはいえないと思われます。

今回の『強制退去』に関しては、法的根拠に基づかない、一般市民の表現の自由への権力による不当な弾圧の可能性があります」

   類似のケースとして、藤田弁護士は16年参院選における安倍氏の演説で起きた出来事をあげる。

「これは、安倍首相がJR吉祥寺駅北口前で街頭演説をおこなうと告知され大勢の人が集まっていましたが、安倍首相の演説がはじまる前、『アベ政治を許さない』というプラカードを掲げて歩いていた男性がSPにマークされ、警官に注意を受けて選挙カーから遠ざけるように誘導されたというケースです。このケースについてもプラカードを掲げて歩いていただけであり『演説を妨害』したとはいえないと思われます。こちらも、本件同様に権力による不当な弾圧ととられかねません」
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