「対新宿」にこだわらない相鉄
海老名~新宿間は既に小田急小田原線が乗り換え無しで47分(昼間時快速急行利用)で結んでおり、所要時間では小田急優位なのは確実。海老名・大和から新宿という「点と点」の競合ではなく、相鉄沿線各駅から渋谷・大崎・恵比寿など東京南部へ乗り換え無しで移動できる点にメリットを見出す沿線ユーザーが多そうだ。
また相鉄・JR直通線は、JR武蔵小杉で横須賀線・湘南新宿ラインと合流する。武蔵小杉は特急「成田エクスプレス」も停車し、南武線・東急線と乗り換えできる川崎市内のジャンクションに発展している。同駅を通る横須賀線・湘南新宿ラインの増発や、同一ホームで横須賀線に乗り換えられることで品川・新橋・東京方面への利便性向上も期待される。相鉄いずみ野線列車の横浜行きと、相鉄本線からの新宿方面列車を二俣川で接続させるダイヤとなったのも、本線・いずみ野線双方から都心方面への需要を取り込む狙いがあるだろう。
乗り入れ車両はJRが埼京・川越線用のE233系、相鉄が12000系を使用する。実質的には相鉄とJR埼京・川越線の相互直通運転に近い形ながら、相鉄側からは原則新宿折り返しというダイヤになったのも、競合路線の存在や旅客の流動を考慮したものと考えられる。
相鉄としては新宿への直通ももちろんだが、それ以上に途中の武蔵小杉・渋谷などのターミナルへの直通性をもアピールしていくという姿勢だろう。