投開票が2019年7月21日に迫った参院選の焦点のひとつが、消費税率引き上げをめぐる問題だ。
そんな中で、消費増税反対や減税を唱える人を組織的に応援しようという動きもある。「反緊縮」を主張する市民グループ「薔薇(ばら)マークキャンペーン」だ。4月の統一地方選では、52人の候補が「薔薇マーク」に認定され、そのうち21人が当選。参院選では7月4日の公示以降も認定される候補者が増えており、7月13日時点で野党各党の49人が認定されている。
「消費税の10%増税凍結(むしろ景気対策として5%に減税することが望ましい)」
キャンペーンは、英労働党のジェレミー・コービン党首や米民主党のバーニー・サンダース上院議員が「反緊縮」を掲げて支持を広げたことを背景に、19年2月にスタート。立命館大学経済学部の松尾匡教授が代表を務め、呼びかけ人には思想家の内田樹氏、翻訳家の池田香代子氏、経済アナリストの森永卓郎氏らが名を連ねる。
キャンペーンが掲げる6つの認定基準のうち3つ以上を自分の政策として掲げ、認定基準に反する政策や、人種差別的な政策がなければ、「薔薇マーク」候補に認定される。審査基準のひとつ目が「消費税の10%増税凍結(むしろ景気対策として5%に減税することが望ましい)」
というものだ。
共産22人、「れいわ」9人、無所属7人、国民5人、立憲4人、社民2人
参院選では候補者にアンケートを送り、基準を満たした49人が認定されている。そのうち最も多いのが共産党の22人で、政治団体「れいわ新選組」の9人、無所属7人、国民民主党5人、立憲民主党4人、社民党2人が続く。各社の情勢調査で当選圏内だと報じられている候補者も複数おり、「薔薇マーク認定の国会議員」が登場する可能性もある。
参院選では「れいわ」は「消費税廃止」を掲げる一方で、野党共闘を後押しする民間団体「市民連合」が5月29日に4野党1会派(立憲、国民、共産、社民、社会保障を立て直す国民会議)と結んだ事実上の政策協定では、増税凍結をうたっている。野党は32ある1人区で候補者を一本化しており、その野党統一候補者が消費税廃止を訴えるケースもある。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)