記者は都内在住だが最近、朝の出勤時、電線にとまっている大量の鳥をよく目にする。色は黄緑色で、その数、20~30羽はいるだろうか。よく目を凝らして見ると...どうも、インコらしい。
しかし、日本国内で「野生のインコ」というのは、あまり聞いたことがない。なぜ、こんなに目に付くようになったのか? J-CASTニュースでは「日本鳥類保護連盟」に話を聞いた。
インド、スリランカ原産の「ワカケホンセイインコ」
同連盟によると、黄緑色のインコは「ワカケホンセイインコ」。オスには、首の周りに「首輪」のような模様があることから、漢字で書くと「輪掛本青インコ」となるそうだ。全体が黄緑色をしており、体長は30~40センチほど。鳩とカラスの中間ぐらいで、インコ特有の先の丸まったくちばし、尾っぽの長さ、スリムな体形が特徴だ。
同連盟担当者によると、
「インド、スリランカ辺りが原産地で多く生息しています。1960年代後半のペットブームで、日本に多く入ってきたと考えられており、その鳥が逃げた、もしくは飼い主が放した...といった理由で、特に東京や神奈川、埼玉辺りで繁殖したものと考えられます」
しかし記者は、ここ1年ぐらい、自宅周辺で「黄緑色のインコ」をやたら目にするようになった。ひょっとして、大量繁殖しているの?
1つの「ねぐら」に何百羽も
担当者は、
「『ワカケホンセイインコ』は、集団で塒(ねぐら)を作ると言われており、その塒が、何らかの理由で、使われなくなる時があります。その際、別の場所へ移動するとも言われています。今回、周囲で見かけるようになったのは、そのパターンで、付近に塒が移った可能性が考えられます。もしくは、その付近で営巣地が新たにできたとも考えられます」
さらに続けて、
「現在、把握できているのは東京都内、神奈川、埼玉で1500~1700羽ぐらい。それが数か所に分かれて塒を作っており、大きい塒だと300羽~1500羽になります。その大きな塒が、時折、場所を移すので新たに塒になった付近の方はインコが急激に増加しているような錯覚に陥りますが、特段『増えている』というわけではないと思います」
と話す。
ちなみに「ワカケホンセイインコ」だが、
「人を攻撃するようなことはありません。ただし、『害鳥』という見方があるのも事実です」
しかも、寿命は「20~30年ぐらい」だという。犬や猫と比べても、かなり長い。また「特定外来種」ではないため、現在のところ、駆除などの予定はないそうだ。