ジャニーズ事務所がテレビ局にかけていたとされる「圧力」について、NHKは、その具体的なケースを報じ、波紋が広がっている。
事務所では、圧力を否定するコメントを発表しているが、実際にはどうなのだろうか。
加藤浩次も「暗黙の了解」に言及
報道によると、公正取引委員会は2019年7月17日までに、元SMAP3人を出演させないよう民放テレビ局などに圧力をかけた疑いがあり、独占禁止法違反につながる恐れがあるとして、ジャニーズ事務所を注意した。
注意とは、公取サイトによると、証拠が得られないものの、違反につながる恐れがある行為に対し、未然防止を図る観点から行う。これは、証拠があるときの排除措置命令のような法的措置ではないそうだ。
具体的な「圧力」について、NHKは、「民放テレビ局などに対し独立した3人を出演させれば、所属タレントの出演が難しくなるなどと感じさせる言動」があったと報じた。
このほか、18日放送の日本テレビ系「スッキリ」で司会の加藤浩次さんは、業界では暗黙の了解だとして、大手事務所を独立したタレントが何年かテレビに出られなくなる例は、ジャニーズ事務所に限らずあると指摘した。
一方、テレビ局側にも問題があったのではないかとされており、毎日新聞のウェブ版記事によると、民放テレビ局幹部は、圧力があったとは聞いていないが、「制作側が過剰に忖度する構図はあったかもしれない」と証言した。
ニュースのコメント欄やツイッター上では、「やっぱりって感じですね」「『公然の秘密』で、驚いている人はいない」「問題なのはテレビ局だと思う」などと圧力や忖度はあったのではとの見方が強く、ジャニーズ事務所の幹部などに記者会見を開くことを求める声もあった。
「テレビ局は3人に出てもらいたい」
事情に詳しい芸能関係者は7月18日、J-CASTニュースの取材に「ジャニーズに限らず、一部の大手事務所も同様で、所属タレントが独立すると一定の期間、テレビに出られないことはあります」と明かす。
ただ、ジャニー喜多川さん死去で事務所の力関係が変わる可能性があり、最近は、ほかの大手事務所でも、所属タレントとの共演NGを言わなくなってきたとも言う。
テレビ局についても、これまではジャニーズ事務所などに忖度していた面があったとした。しかし、今後は変わってくるのではないかとこの芸能関係者はみる。
「フジテレビ、テレ朝、日テレで、先月から社長交代がありました。事務所の言動を快く思っていなかったテレビ局が、力関係の変化などから事務所に忖度しなくなる可能性はあると思います。少なくとも、今までのようなことはないでしょう。テレビ局は、人気のある3人に出てもらいたいと考えており、今後テレビに出る可能性はあると思います。それは、次の編成に当たる来年4月ぐらいになるかもしれませんね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)