5年ぶりのV奪回を目指す原巨人が好調に首位を走っている。交流戦を3位で終え、首位で前半戦を折り返した巨人は、貯金を「18」とし2位DeNAに9.5ゲームの大差をつけている。
リーグ唯一の貯金生活で、優勝のマジックナンバー点灯が目前に迫っている。チームは独走態勢に入ったが、ここにきて昨オフに補強した選手らの明暗が...。シーズンも残り60試合。低迷が続く「助っ人」の巻き返しなるか。注目が集まる。
打てない中島、ビヤヌエバ。今オフの行方は...
巨人の首位独走の原動力となっているのが、昨オフ広島からFAで移籍した丸佳浩外野手(30)だろう。開幕から全83試合に出場し、打率.307、16本塁打49打点をマーク。選球眼は相変わらずで四球が多く、出塁率は4割を超え、原辰徳監督(60)の期待通りの活躍を見せている。守備面でも大きく貢献し、巨人のセンターラインの主軸として屋台骨を支えている。
西武からFAで移籍してきた炭谷銀仁朗捕手(31)もここまでは「合格点」だろう。原監督の意向により、小林誠司捕手(30)、大城卓三捕手(26)の3捕手併用起用が続き、正捕手の座を奪うに至っていないが、リード面での評価は高く指揮官の信頼を得ている。課題の打撃は打率.267、3本塁打と、まずまずの数字を残しており、大城が捕手、ファーストで起用される今、チームに欠かせない存在になりつつある。
丸、炭谷が「明」ならば、同じ野手の中島宏之内野手(36)とクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28)は「暗」となるだろう。原監督のWBC時代の「戦友」として期待されて入団した中島は、ここまで主に代打で起用され打率.157。17日のヤクルト戦では5月22日以来のスタメン出場を果たしたものの、2打数無安打。2カ月ぶりのチャンスをものにできず、指揮官の期待にも応えることが出来なかった。
ビヤヌエバもまた指揮官の期待に応えられないでいる。昨シーズン、メジャーで20本塁打をマークし、入団当初は長距離ヒッターとして大きな期待がかかったが、日本人投手の変化球に対応しきれず5月には早くも2軍降格に。ここまで打率.226、8本塁打と、年俸2億超(金額は推定)に見合う数字を残せていない。アレックス・ゲレーロ外野手(32)の不振により1軍にいるものの、起用目的は打撃よりも守備固めにあるようだ。
投手の補強は期待外れ
投手陣に目を向ければ、新守護神として入団したライアン・クック投手(32)は4月に右肘の違和感で戦線離脱。6月に復帰を果たしたものの、調子が上がらず6月22日に出場選手登録を抹消された。ここまで10試合に登板して6セーブ、防御率5.40と、機能していない。また、岩隈久志投手(38)に至っては、ここまで実践登板すらない状態だ。
在京球団関係者は「原監督の補強策は成功とみていいでしょう。丸の貢献度は大きいですし、炭谷も存在感を示している。中島と岩隈は想定内だと思います。ビヤヌエバとクックに関しては期待外れでしょう。2人ともに単年契約ですので、厳しいオフになりそうですね。中島と岩隈に関しては、選手兼指導者としての期待があるでしょうから、2人の進退は原監督の腹ひとつでしょう」と話す。
ひとり勝ち状態で悠々とVロードを突き進む原巨人。丸、炭谷が活躍する一方で結果を残せないものも...。後半戦は始まったばかりだが、期待外れの「助っ人」に早くも秋風が吹き始めた。