「夏の恒例のミーティングでもしてるのかなと想像したりしますけど」と、電話口から職員の笑みが伝わってくる。例年SNS等で話題となっている「鹿だまり」の写真では、芝生にお腹をくっつける鹿の群れが見える。
「鹿への餌やり」映像などで知られる奈良公園(奈良市)の一角に位置する奈良国立博物館の関係職員は、「毎年7月初旬から中旬にかけて集まりだします。暑くなってきてからですね」と2019年7月17日、J-CASTニュースの取材に答えた。
奈良国立博物館の職員に話を聞くと...
奈良国立博物館前の芝生には「鹿だまり」ができると、例年SNS等で注目を集めている。今年も新しい写真が、同博物館関係者のツイッターで紹介されている。J-CASTニュース編集部が連絡をとったところ、「7月16日19時頃に撮影した」と回答があった。写真の画面いっぱいにあふれる鹿は主に芝生の上に寝そべっている。
同館に電話をして別の職員に話を聞くと、奈良国立博物館前の芝生には、17~18時頃を過ぎると100頭ほどの鹿が芝生にあつまるそうで、
「新館と本館がございまして、新館の前に歩道になっているところがある。その歩道の横に芝生がある。そこにたくさん集まる感じです」
と説明した。
芝生に集まる理由は、明確には「わからない」とし、「日陰」となる場所が多いわけでもなく、
「そこ(芝生)が涼しい場所になっているのかということも一つなのかなと思う」
という。
7月に入ると「恒例の光景」
「鹿だまり」は、観光客からの人気が高く、特に海外からの観光客は、その光景を「珍しがって写真を撮る」という。しかし職員にとっては恒例となっているようで、
「7月に入ったらいつも集まり、恒例の光景になっています」
と笑いながら答えた。
「鹿っていろんな群れがあって行動していると思うんですけど、たくさんの群れが一つの場所に集まっているのはとても不思議な光景に見えますね。夏の恒例のミーティングでもしてるのかなと想像したりしますけど」
取材終了間際には、時計は16時30分を過ぎていた。「もう集まっていますか」と質問すると、「今はまだ集まっていないですね」とのことだった。「鹿だまり」は暗くなり始めると、「一斉に移動し始めて、いなくなる」そうだ。
(J-CASTニュース編集部 井上祐亮)