アニメ監督・メカデザイナーでモデラーの小林誠氏が2019年7月14日にツイッターに投稿した内容が批判を集め、炎上状態になった。
投稿内容について、プラモデル界のマナーに反する行為だと、多くのユーザーが受け止めたようだ。ホビー業界の著名人のはずの小林氏のどのような行為が問題視されたのか。J-CASTニュース編集部は小林氏本人にも話を聞いた。
臭気の強い塗装を喫茶店で?
小林氏は「宇宙戦艦ヤマト 復活編」副監督兼メカニックデザインを、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」(2017年公開)副監督を務めるなど「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに長く携わっている。7月14日21時頃に、「喫茶店で何やってんでしょうか私達(笑」と、多数の「ヤマト」の艦船のプラモデルが並んだ写真を投稿した。
そして、
「ちょっと嬉しくなって、その場で塗ってしまいましたシルバーブルー。喫茶店でラッカー塗装筆塗り(笑)」
とも投稿した。これを見た多くのユーザーは、マナー違反ではないか、と指摘した。
喫茶店で大量のプラモデルを並べた上、有機溶剤の強い臭い(シンナー臭)があり、揮発性が高く、換気を必要とするラッカー塗料の塗装までしていたのでは、とみなされ、一般客に極めて迷惑な行為と捉えられた。このため、
「喫茶店でラッカー塗料使ってプラモ塗装とか馬鹿だろ」
「家でも神経使って換気とか圧調整やって塗装している僕らはなんなんだ」
「飲食店でラッカー塗装など、よくもふざけた真似をしやがって。自分が良ければ良いと思い上がるな老若男女問わず、次代のモデラーの未来を潰す気か?」
など、模型ファンからの批判が殺到した。
模型の工作、特にスプレー類やラッカー塗料を使用する場合は汚れや臭いも発生するため、自宅作業でも換気をし、汚れてもいい服装で行うことが奨励されている。小林氏の投稿だけを見た模型ファンには、あまりにも常識外れの行為と映ったようだ。
小林氏「嬉しさのあまり、私の調合したアルコール塗料を少し塗ってあげようと...」
小林氏は7月17日にJ-CASTニュースの取材に応え、当時の状況を語った。14日に投稿した写真については、
「私の誕生日(註:7月13日)の集まりに皆がプラモデルを作って持ち寄ってくれたのです。持ち寄られた物の中に私がデザインした物を改造して作ってくれていた方がおり。常に持ち歩いていた補修用のアルコール塗料で塗ってしまったのです」
「嬉しさのあまり、私の調合したアルコール塗料を少し塗ってあげようとしたのは、サービスにしても場所を考慮しないといけなかったと思います」
と説明し、軽率な行為だったと語った。喫茶店に集まったのもモデリングのためではなく、ただ模型を持ち寄っただけだったという。塗装したのはラッカー塗料ではなく無害のアルコール塗料だったが、これも間違ってラッカー塗料と誤解される書き方をしてしまったと釈明した。
また同席していた知人が、7月16日に東京・中野の当該の店舗を訪問し、店長に謝罪と説明を行ったという。店側からは、特にクレームが寄せられたこともなく、問題ないという回答をもらっているとのことである。