みずほフィナンシャルグループ(FG)が、新しい勘定系システムを2019年7月16日から稼働させた。
2002年の旧みずほ銀行発足以降、十数年来の課題だったシステム統合。幾度となく延期されてきた背景もあり、ネットではシステムエンジニア(SE)へのねぎらいの声が絶えない。
9回にわたって移行作業
旧みずほ銀行は02年4月、第一勧業と富士、日本興業の3行合併により誕生した。同日には、法人向けのみずほコーポレート銀行も営業を開始したが、初日にシステム障害が発生し、大きな混乱を招いた。旧みずほ銀は東日本大震災が起きた11年3月にも、義援金の殺到を理由とした大規模なシステム障害を起こし、いずれも金融庁からの業務改善命令を受けている。
その後、13年7月に旧みずほ銀と、コーポレート銀が合併し、現在の「みずほ銀行」が誕生した。旧みずほと旧コーポレート、そしてFG傘下の「みずほ信託銀行」を一元化したシステムは、当初16年春の完成を予定。2度の延期を経て、17年夏に完了した。テストなどを経て18年6月から、3連休を中心に9回にわたって、システム移行が行われている。
19年7月13日未明~16日朝にかけて行われたものが、その締めくくりとなった。期間中は、同行のキャッシュカードによるATM利用など、すべてのオンラインサービスが休止に。3連休中とあって、ツイッターでは「100円しかない下ろせないどうするwww」「お金下ろせないの辛すぎるわ」といった声が続出していた。
「この案件と全くかかわったことがないエンジニアは少ないんじゃないかな...」
システム統合にともなうメンテナンスは、今回が最後となる予定だ。ツイッターでは7月16日午前から、ATMが使えるようになったと安心する声に加えて、一連のシステム統合にかかわった人々へのねぎらいの声が相次いでいる。
「関わってないけどSEの端くれとしてみずほ全面稼働を祝福せずにはいられない」
「終わったか...この案件と全くかかわったことがないエンジニアは少ないんじゃないかな...」
「みずほ銀行プロジェクトに関わったエンジニアにリスペクト。スタッフロールとか出して賞賛したい」
なかでも、建築家アントニ・ガウディが手がけた教会「サグラダ・ファミリア」(スペイン・バルセロナ)に触れた反応が目立つ。1882年に着工され、2026年に完成予定の同施設と、みずほのシステムをなぞらえるツイートは多々見られる。
「おー、日本IT界のサグラダファミリアもついに完成か。関係各位、お疲れ様でした」
「みずほのサグラダファミリア稼働したか!一旦はみずほのSE様お疲れ様でした」
「日本のサグラダファミリアがひとつ減ったが、オレタチにはまだ横浜駅がある」