5年に一度の「財政検証」の発表時期は?
ただ、黒字だった2018年度の運用実績は、辛うじて黒字をキープしたのが実態だ。米中貿易摩擦の激化に伴う世界的な株価下落の影響で、18年10~12月期は約14兆8000億円もの運用損となったが、その後は好調な米国経済を背景に外国株式が持ち直して、年度1年間の通期では黒字になった。黒字は3年連続だが運用利回りは1.52%にとどまり、約10兆1000億円の黒字だった17年度の6.90%と比べて大幅に縮小した。17年度の実績は、18年7月6日に発表した。
同じ公的年金を巡っては、今年は財政の健全性を確認する5年に一度の「財政検証」の年に当たる。5年前の公表時期は6月前半だったが、今回は参議院選挙後になる見通しだという。野党は「選挙前に不都合な真実は見せないなんて、あまりにも党利党略が過ぎる」(立憲民主党の辻元清美氏)などと批判を強めているが、果たして選挙後、どんな数字が発表されるか。