話して気づく、ネットとラジオの違い
出演するたびに、新たな課題も見つかる。放送直後から翌週まで、幾度となく聞きなおす。「真面目な話題だからといって、声のトーンを落としすぎた」「相槌が多くてクドいな」といった反省は尽きないが、いつも悩むのが、「目で読みやすい文章」と「耳で聞きやすい文章」の違いだ。
2019年5月22日の放送では、幻冬舎・見城徹社長の「実売数晒し」を紹介した。「実売数」は文字で見れば、なんとなく意味が通じるが、耳で「ジツバイスウ」と聞いても、いまいちピンとこない。この時は、とっさに「つまり、何部売れたのかという実際の数字」と補足した。
「ネットの有名人」の扱いにも悩む。また、広く知られた人物でも、一般的なイメージとネットで見せる顔とが一致するとは限らない。先の「実売数晒し」は、百田尚樹氏の『日本国記』をめぐっての議論が起点となった。百田氏は、映画化された『永遠の0』や『海賊と呼ばれた男』といった著作で知られるが、ツイッターでは歯に衣着せぬ発言で有名だ。ただ、その立ち位置を改めて説明するには「尺」が足りない。放送では、書名と著者名に触れるのみにとどめた。
コーナーでは、ここ1週間の話題を中心に紹介するのだが、放送までに記事から大きく状況が変わることも多々ある。出演前に各社の続報を確認して、なるべく最新の内容を伝えられるよう、手元のメモに追記している。