車いす対応バスなのに「次に乗ってくれ」 運転士「拒否」で40分待ち、「障害者は客として認識されていないのか」

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「決まった時刻のバスでだけ対応すればいい」でよいのか

「バス会社としては、車いす対応のバスの時刻を決めている。そのバスに乗ってくれたら、きちんと乗せるのだから差別ではない、という見解だと思います。

車いすユーザーが全くバスに乗れなかった時代、物理的にも安全に乗れるバスがなかった時代から、当事者の働きかけや技術者の努力もあって、少しずつ少しずつ改善してきた歴史があります。だから、このバス会社が『全部は無理だけど、確実に乗れるバスを用意して、この時刻なら乗れますよという時刻表をつくった』経緯自体は、仕方ないというか、当初はよかったのだと思います。

しかし、おそらくその後、車いすで乗れる『ノンステップバス、ワンステップバス』が増えていたにもかかわらず、この時刻表を変えることなく、運転士全員に必要な研修を行っていなかったことは、明らかに問題だと思います。ワンステップバスに乗車してもらう際の操作方法は難しいものでもありません。

少なくとも7月3日12時1分のバスは車いすで乗れるバスでしたが、それでも乗せてもらえず、40分以上待たされてしまい、本来であれば早く大学に到着して行いたかった講義の準備が十分できず、ゲストの方に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」(松波さん)

   その上で「一番の問題は、バス会社が現状の不十分さ(ハード面、ソフト面)により、日常的に車いすユーザーのお客さんに不利益を強いていることを認識せず、決まった時刻のバスでだけ対応すればいいと考えていたことだと思います」と指摘。バス側への要望として「『まず乗車拒否をしない』のを原則に、車いす対応の車体を増やし、現に増えているのだからそれを時刻表に反映させること。そして運転手全員にきっちり、障害者団体の当事者講師を呼んで、研修・講習を行うこと」をあげた。実際に乗車拒否のことを帝産湖南交通に伝え、改善を求めたとしている。

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