切手の値段が思い出せない。最近はLINEでやりとりしたり、多少かしこまってもEメールを送ったりなので、たまに封書やはがきを送ろうとすると、ふと「今いくらだっけ?」と疑問に思う。
そうこうしているうちに、さらなる値上げが発表された。わずか5年半に3回も価格改訂されるとあって、混乱している消費者は多いようだ。
年賀はがきの「据え置き」でも混乱
日本郵便は2019年10月、消費増税にともない郵便料金を改定する。通常はがきが63円(現在は62円)になるほか、定形郵便物が25グラムまで84円(82円)、50グラムまで94円(92円)のようになる。また「ゆうパック」も対象で、サイズや送付先地域によって、10~60円値上げされる。
消費税3%が導入された1989年4月には、通常はがき41円、定形25グラム62円だった。94年にそれぞれ50円、80円となり、5%の増税時(97年)でも据え置かれた。そして2014年4月に8%となったのに合わせて、52円と82円に上げられた。
その後、17年5月に、人件費の増加などを理由として、通常はがきが10円値上げの62円に(定形などは据え置き)。年賀状の期間(17年12月15日~18年1月7日)に限って、従来の52円で差し出せる特例措置が行われたが、混乱を招いたため、この年限りで終了。18年~19年にかけての年賀状は、通常はがきと同じ62円となった。ここ5年ほどで、コロコロ変わる料金に、戸惑いの声は絶えない。
「70円と90円にして、しばらく値段変えないようにしませんか」
郵便料金の値上げが発表された19年7月8日には、
「また郵便料金上がるんかいな。いくらの切手買えばいいんかい」
「ここ数年手紙送るたび切手代いくらだっけって考え込んじゃうな」
「こんなに頻繁に値上がりしてたら、切手代がいくらなのか、もはや覚えられません」
といったツイートが続出。買いだめている人からも、「持ってる切手が次々と一枚で事足りなくなっていく」「差額の切手を貼るのがめんどくさい」といった悩みが。「いっそのこと70円と90円にしてしばらく値段変えないようにしませんか」なんて提案も出ている。
もっとも当初、10%への消費増税は、15年10月に行われる予定だった。この時に人件費増加も織り込んでいれば、その後の二転三転はなかったのかもしれない。新料金の普通切手や郵便はがきは、19年8月20日から販売される。当然ながら印面も一新されるわけで、デザイナーの心中を察すると、とてもいたたまれない気持ちになるのは、筆者だけだろうか。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)