リハーサル1回と本番1回を行い「どちらか一つを選ぶことができる」
今回の政見放送のように、演説・原稿読み上げがうまくいかなかった場合、収録のやり直しはできないのだろうか。
総務省にJ-CASTニュースが11日に確認したところ、参院選(選挙区候補)でスタジオ収録の場合、収録(録音・録画)の回数は原則、「1回とする」(旧自治省1994年11月告示)としているが、実際の運用としては、「リハーサル1回と、さらに(本番)1回を行い、どちらか一つを選ぶことができる」(2019年5月「政見放送等の実施上の留意事項について」)。
「リハ1回、本番1回、どちらかを...」という趣旨の規定は、参院選では前回16年実施分から適用されている。それ以前は、撮影を1回行い、さらにもう1回の撮影に進む場合は、初回収録分は消去して新たな撮影(上書き撮影など)を行うことになっていた。また、公職選挙法の18年改正をうけ、今回の参院選から選挙区の候補者でも一定の条件を満たした場合は、スタジオ収録ではなく「持ち込み映像」を政見放送として使用できるようになっている。
今回の政見放送が注目を集めたNHKにも見解を聞いた。広報局の回答によると、
「総務省の『政見放送等実施上の留意事項』に基づいて、各候補には録画をともなうリハーサルを1回、さらに本番1回を行えることを説明し、どちらを使うかを選んでいただいています。
NHKは、公職選挙法と政見放送及び経歴放送の実施規程に基づいて、公平かつ適正に政見放送の収録を行っています」
とのことだった。
今回の候補の政見放送映像が「リハーサルの1回」なのか、「リハーサルの1回と本番1回のうち、選んだ方」かは不明だが、少なくとも「1回のやり直し」は可能な状況だったのは間違いない。