セブン‐イレブンの会員サービスからの退会理由に「セキュリティが不安」と打ち込んだら受け付けてもらえなかった、という情報がツイッター上で拡散している。スマートフォン決済サービス「7pay(セブンペイ)」の不正アクセス事件を受けて退会を試みたものの、セブン側がセキュリティに関する否定的な情報を受け取らないようにしているのではないか――こんな憶測が広まることになった。
しかしJ-CASTニュースが2019年7月8日、セブン&アイ・ホールディングスに確認したところ、「『セキュリティ』をはじめ、退会理由にNGワードは設定していない」と話した。
7pay利用には「7iD」登録が必要
7payは1日にサービス開始するも、2日に不正利用が発覚。4日にセブン・ペイ(本社・東京都千代田区)が会見を開き、同日6時時点で被害者数は約900人、被害総額約5500万円に上ると見られることが発表された。7payはチャージのほか、新規登録も一時停止した。開始わずか4日でセキュリティの脆弱性を露呈したことで、多くのユーザーに不安を与えている。
7payの利用にはスマートフォンの「セブン‐イレブンアプリ」をダウンロードし、会員サービス「7iD」に登録する必要がある。7iDを残しつつ7payの登録のみ取り止めることも可能だが、問題発覚以降、ツイッター上では「7id速攻で退会した」「消費者は一旦利用を止めるべき、というか7idから退会すべき」「7payとあわせて7iDもまとめて退会」と、7iDそのものからも退会しようとするユーザーの声が相次いだ。
そんな中で拡散されたのが、「退会理由」をめぐる言説。7iDの退会フォームには退会理由を書ける自由記述欄があるが、ここに「セキュリティが不安」と打ち込んで送信しようとしたところ、「退会理由に使用できない文字が含まれています」とのエラーメッセージが表示されたというスクリーンショット画像が、数万件単位でリツイートされた。
こうした投稿から、「退会理由にセキュリティについての文言NGワード」「退会理由にセキュリティと書くとNGだと」「7Pay理由の7ID退会は拒否られるの?」といった声が相次ぎ、セキュリティという言葉を使ったり、セキュリティの脆弱性を指摘したりして退会することはできないのかという憶測が広まった。
「改行」が理由との指摘も
だが、J-CASTニュースがセブン&アイ・ホールディングス広報に問い合わせたところ、「『セキュリティ』をはじめ、退会理由に使用できない言葉は設定しておりません」と回答した。少なくともひらがな、カタカナ、漢字は全て使用できるといい、こう話す。
「7payの問題が起きてしまい、ご不安やご不満を感じるお客様にはさまざまな理由があると思います。退会されるお客様のご意見は弊社として真摯に受け止めさせていただきます。退会理由として受け付けないNGワードというものは設けていません」
では、なぜ上記の退会理由でエラーが出たのか。ツイッター上では「改行」したことが原因ではないかとの指摘もある。
試しに手元のスマートフォンで、セブン‐イレブンアプリから退会理由に「セキュリティが不安」と打ち、改行した上で送信しようとしたところ、確かに「退会理由に使用できない文字が含まれています」のエラーが出た。一方で改行せずに「セキュリティが不安」だけで送信しようとすると受け付けられ、本当に退会するかどうかの確認画面に移行した。文章末尾で改行すると、その有無は見た目上分からない。
そこで同社に、「改行」が原因ではないか、また「使用できない文字」とは何があるのか、について聞いたところ、8日夕時点で「確認中」という回答だった。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)