首位を快走している巨人で、救援陣はチームへの生き残りをかけて「FA組」が必死に腕を振っている。
野上亮磨、大竹寛、森福允彦...かつては三顧の礼で巨人に迎えられた投手たちだが、現在の置かれた状況は崖っぷちだ。
今シーズンに結果を残さねば...
野上は17年オフに西武から3年契約でFA加入。先発ローテーションの軸として期待されたが、昨年は4勝4敗、防御率4.79で、シーズン終盤は敗戦処理での起用になるなど苦しい1年だった。今年は開幕2軍スタート。1軍に昇格後も先発のマウンドはなく、登板した12試合はすべて救援だ。
契約は来年まで残っているが、今年救援で結果を出さなければ居場所を失ってしまう。7日のDeNA戦(東京ドーム)は制球が不安定だったドラフト1位左腕・高橋優貴に代わって3回途中から登板したが、2点リードの5回に乙坂智に2点適時打を浴びた。先発が早い回で降板した時のロングリリーフで活路を見出したい。
大竹、森福は野上と違って猶予がない。13年オフに広島から3年総額5億円の大型契約で移籍した大竹は、昨季は2試合登板のみ。今年36歳のベテランは昨オフに構想外の危機だったが、減額制限を超える50パーセントダウンの2625万円で1年契約を結んだ。先発一筋だったが今季から救援に配置転換。6月30日のヤクルト戦(秋田)で初勝利をマークして通算98勝に到達した。勝ち試合の継投策で起用されるなど原監督の信頼を取り戻している。新境地でもう一花咲かせられるか。
苦しい状況に追い込まれた森福
救援で奮闘している大竹とは対照的に、森福は苦しい状況に追い込まれている。16年オフにソフトバンクからFAで加入したが、昨年は2試合登板のみ。今年も7試合登板で防御率6.23と「左殺し」としての地位を築けない。6月21日の古巣・ソフトバンク戦(東京ドーム)で同点の6回に救援登板も左打者の福田秀平に決勝満塁弾を浴び、翌22日に登録抹消された。
ペナントレースの山場となる夏場以降は救援陣の出来がチームの命運を握る。野上、大竹、森福は試合の勝敗を左右する大事な場面で結果を残せるか。背水の陣で投げ続ける「FA組」の投球に要注目だ。