阪神が広島戦3連勝で2位を堅持した。阪神は2019年7月7日、甲子園で広島と対戦し1-0で勝利した。先発・高橋遥人投手(23)が8回を散発4安打無失点に抑え、守護神ラファエル・ドリス投手(31)につないで完封リレー。3連勝のチームは貯金を「1」とし、首位・巨人とは6.5ゲーム差となった。
自身最長となる8イニングをテンポよく投げ切った。23歳の左腕は初回からテンポよく鯉打線を次々と料理した。打者27人に対して114球を投げて無四球の9奪三振。ピンチらしいピンチを招くことなく散発4安打に抑え、今季2勝目を挙げた。首位・巨人を6.5ゲーム差で追う阪神に頼もしい左腕が快投を演じた。
(近本は)疲労の底は抜けた感じ
阪神OBで野球解説者の野口寿浩氏(48)は、高橋の投球に関して「ストレートのキレが非常に良かったです。各打者は、この強いストレートに合わせてくるので変化球が生きてきます。これまでスタミナや故障せずに1年を回すという、体力的なことが課題でしたが、これをクリアしつつあると思います。左のエースとして今後の成長が期待されます」と話した。
本拠地・甲子園での広島戦3連勝。リードオフマンの復調が、チームの得点力向上の大きな要因となっている。5日の広島との初戦に1番に復帰した近本光司外野手(24)は3試合で5安打を放ち、チームの得点に絡む活躍を見せた。今や近本の好不調がそのままチームの結果に直結するような試合が多く、ドラ1ルーキーが大きなカギを握っている。
「近本選手はスピード勝負の選手ですし、まだ年間を通してのシーズンを経験したことのない新人選手です。疲労は相当なものがあると思います。ただ、今の状態を見る限り、疲労の底は抜けた感じですね。近本選手の活躍はチームに勢いを与えています。プロでは何もかもが初めての経験ですし、疲れもあるかもしれませんが、出来るだけ元気な状態でシーズンを戦い抜いてほしいですね」(野口氏)
「下位チームに取りこぼさず、上位に対してはエラーを減らして」
ここまで、リーグ5位の得点力をリーグトップのチーム防御率を誇る投手陣が支えている。中でもベテラン藤川球児投手(38)、ピアース・ジョンソン投手(28)ら中継ぎの安定感は抜群で、守護神ドリスまでの勝利の方程式は、かつて阪神の鉄壁のリリーフを誇った「JFK」を彷彿させるものがある。
「あれだけの経験を持っている藤川投手の活躍は、選手の精神的支柱になっていると思います。ナインに与える影響は大きいと思います。オールスター戦を終えて後半戦に入れば、ここから先は順位を意識しての試合が続きます。下位チームに取りこぼさず、上位に対してはエラーを減らしていきたいです。前半にうまくいかなかったことをもう一度洗いなおして、チームとしての方針を今一度、確認していく必要あると思います」(野口氏)
阪神は7月8日から本拠地・甲子園で首位・巨人を迎えての3連戦を予定。虎の逆襲なるか。大いに注目される。