催眠術にかかっても自我は失われない
催眠術といえば、ひとたびその術中にはまれば、あたかも自我がなくなったかのような振る舞いを見せる被験者の姿が印象的であるため、淡い期待を抱いた視聴者は多かったことだろう。
ただ、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏によると、催眠術の被験者の意識状態については、決して自我が失われた状態ではなく、「意識レベルが低下することで、抵抗感を感じづらくなっている状況」になっているのだという。
「催眠術にかかっても、『意識がなくなる』『意識ごと乗っ取られる』という状態にはなりません。今回の水ダウを見ると、『目の前の人を好きになる』という暗示をかけることで『譲歩したくない』という抵抗感を薄れさせて関係修復のきっかけを作ろうとしたように見受けられます」
残念ながら、「譲歩への抵抗感」を引き下げることができなかったとみられる今回の水ダウ。その一方で、水ダウの3日前に放送された「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)では、催眠術の被験者の抵抗感が完全に消滅してしまったかのようなシーンがあった。