仮想通貨バブルの轍を踏みかねない
スピード感を重視したあまり、「各社に乗り遅れないように」と拙速に動いた可能性はないだろうか。セブン‐イレブンでは7pay開始と同じ7月1日、先行するコード決済であるPayPay、LINE Pay、メルペイを導入した。「Pay戦争」が激化する中で、ノウハウを持つ3社に、少しでも早く追いつかなければ――そんな焦りがあっても不思議ではない。
地盤を固める前に、動いてしまった感があるのは7payだけでない。同日にスタートした、ファミリーマートの「ファミペイ」も、アクセスが集中して障害が長く続いた。早くこの船に乗らなければ、と各社が焦る空気は、かつての「仮想通貨バブル」に似ている。
ビットコイン人気を背景に、各社が我先にと、仮想通貨(暗号資産)の取引所に参入した。しかし18年1月にコインチェックから、9月にはZaif(ザイフ)から大量に流出。結果として、取引所ではなく、仮想通貨そのものに「怖い」といったイメージが付いた。
今回も同様に、7pay単体ではなく「コード決済が怖い」と思うユーザーが増え、「キャッシュレス化離れ」につながりかねない。業界全体が早い段階で、ポイントやクーポン還元といった「特典」よりも、セキュリティー面など「安心感」への投資にシフトしたほうが、長期的な利用者増につながるのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)