早くも「火種」の可能性も?
瀬戸氏は報道各社のインタビューで「取締役は5人から9人程度が適当だと思う」と述べ、将来的に削減していく考えを示した。取締役会の決定のスピードを上げるには、14人は多すぎるという考えのようだ。しかし、株主提案、会社提案の取締役のうち、どちらを何人減らすかによっては、経営陣内の新たな火種になる可能性がある。
瀬戸氏は株主総会後の記者意見で「(会社のためなら)取締役会で率直にけんかしてもよいと思っている」とも述べた。報道各社から「会社提案の取締役と融和を図れるのか」との質問に答えたものだが、取締役の削減方針と合わせ、今後の取締役会で波紋を呼ぶ可能性はある。
ただ、株主総会で瀬戸氏の取締役選任に賛成票を投じた株主は全体の53%に過ぎない。満場一致の信任を得られたわけではないのだ。この現実を踏まえ、会社提案の候補から取締役会議長に就任した松崎正年コニカミノルタ取締役は記者会見で「株主総会の結果、瀬戸さんはCEOとして支持されたが、会社提案の取締役が6人も選任されたということは、社外の目で瀬戸さんの経営を監督してくれという株主の意思と解釈した」と、瀬戸氏をけん制する発言をしている。
記者会見で瀬戸氏は「松崎氏らと一緒にやっていけると思う」と述べたが、瀬戸氏は潮田氏らが主導して指名委員会が選んだ松崎氏ら会社提案の取締役候補に疑義を呈してきたこともあり、取締役会で融和を図れるかは不透明だ。