参院選が2019年7月4日に公示され、与野党の各党首が全国各地で「第一声」の演説に臨んだ。
野党第1党の立憲民主党はJR新宿駅の東南口で、枝野幸男代表が候補者や聴衆を前に安倍政権で「暮らしや安心が、どんどん壊されてきた」などと主張。「生活防衛」と「多様性」を軸に訴えを展開した。
安保法制や外交問題には触れず
枝野氏は15分近くにわたる演説で、非正規雇用者や貯蓄ができない人が増えていることを指摘しながら、
「本当にこの6年であなたの暮らしは良くなったのでしょうか?日本の社会は良くなったのでしょうか?」
「どうやってこういう人は2000万円貯めたらいいのか、貯められるのか。どうしてこういう中で消費税を上げられるのか。お一人お一人の暮らしや安心が、どんどん壊されてきた、そんな6年半だったのではないか」
などと主張。
「一人一人が豊かさを実感できる、そんな社会をつくっていこうではありませんか!」
などと訴えた。安保法制や外交問題には触れなかった。
32区ある1人区では、5党1会派が候補者の1本化に成功し、野党統一候補を立てている。枝野氏は報道陣に対して、その意義を
「今の安倍政権では生活が破壊される。安心が壊れていく。これに対して、生活防衛のための連携・連帯が1人区すべてでできたことを大変うれしく思っている。是非、今の暮らしに危機感を持っていらっしゃる方の力を結集できれば」
などと改めて強調した。野党共闘をめぐっては、党首討論などの場で、消費税や自衛隊をめぐる解釈など、野党の足並みがそろっていないことを指摘されてきたが、枝野氏は「生活防衛」というキーワードを使いながら反論してきた。選挙戦にも、「生活防衛」という共闘可能な分野を前面に押し出したい考えのようだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)