新聞のお悔み欄を見て手紙を送りつける詐欺のような行為があったと、北海道内のツイッター投稿者が注意を呼びかけている。
「突然の手紙、失礼いたします。実は、お悔み欄を見て連絡させていただきました」。手紙は、こんな書き出しで始まっていた。
亡くなった夫の違法なわいせつDVDを保管と主張
札幌市内在住という投稿者のりょーさん(@ryoginrock)が2019年6月30日、手紙の写真をアップした。
それによると、手紙の送り主は、荷物などを預かる貸しスペース業をしていると称し、手紙の送り先の「夫」が2005年から荷物を預けていると切り出した。夫が亡くなったのをお悔みから知り、荷物の中を確認すると、児童ポルノ法に違反するわいせつなDVDだったという。
荷物の利用料金は、解約時に清算することになっており、14年間預かったため16万8000円だと主張した。お金を支払えば処分するが、そうでなければ、警察にDVDのことを届けるとして、楽天銀行の入金口座を指定した。
そして、手紙が届いてから、銀行の3営業日以内の振り込みを求めている。最後に「追伸」として、「この手紙は脅迫文ではありません。その点宜しくです」とした。貸しスペースの住所などを明かしていないのは、自分も違法性を問われるからだと説明した。
また、自らのメールアドレスを挙げ、問い合わせにも3万5000円の入金が必要だとしている。
手紙の写真をアップした投稿は、多くの関心を集め、11万件以上もリツイートされている。
「報道発表していない案件なので、回答できない」
手紙の内容については、書き方や表現について突っ込みが相次いでいる。「中学生が頑張って書いたような文章」「なんで勝手にDVDの中身を見ているのか」「こういった文書で『宜しくです』ってw」といった声が出ていた。
投稿者のりょーさんは7月2日、J-CASTニュースの取材に対し、手紙は、自分の母親あてに6月20日ごろに届いたと明かした。
手紙の消印は、北海道北見市になっていたといい、30日に北海道警の地元交番に相談に出向いたことも明らかにした。札幌市内の同じ地域でも同様のものが数件届いていると警察も言っていたという。
ツイッター上では、北海道帯広市内の在住者から、まったく同じ文章の手紙が北見市の消印で送り付けられてきたとの報告もあった。
手紙の送り主については、そのメールアドレスなどから、ネット上で特定しようとする動きが出ている。
北海道立消費生活センターやいくつかの自治体の消費者相談窓口にJ-CASTニュースが7月2日に取材したが、いずれも手紙の相談は入っておらず、情報もないとのことだった。北海道警の広報課は同日、手紙について捜査しているかについて、「報道発表していない案件ですので、回答することはできません」と取材に答えた。
楽天銀行の口座は、すでに入金不可能になっているとツイッター上で指摘されたが、同行の広報担当者は2日、「個別の事案ですので、回答を控えさせていただきます」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)