総務省が「過疎」に代わる用語を検討するとの報道をめぐり、SNS上では「物事の本質を分かりにくくするのは、もうやめていただきたい」などと反発が広がっている。
総務省はJ-CASTニュースの取材に「見直すと決まったわけではない」と釈明する。
総務省「見直すと決まったわけではない」
共同通信は2019年7月3日、「『過疎』の代替語検討へ、総務省 マイナス印象と」との記事を配信した。
前日に行われた過疎問題を議論する有識者懇談会で、「近年、豊かな自然など都市とは異なる特性に魅力を感じる人が増加傾向にあり、マイナスのイメージがある言葉は実態に合わない」として、「過疎」に代わる用語を検討する方針で一致した、と伝えた。
報道を受け、SNS上では「大事なのは対策であって、誤魔化すことではない」「言い替えて物事の本質を分かりにくくするのは、もうやめていただきたい」と、懇談会の判断を疑問視する声が相次いでいる。
総務省過疎対策室は3日、J-CASTニュースの取材に「過疎という言葉の使い方についてほかにどのような言葉が考えられるか、継続したほうがいいのかについて検討することにはなっていますが、見直すと決まったわけではない」と釈明。
検討理由については、「今までの過疎問題は、都市の過密と地方の過疎という対比でとらえられてきました。ですが、今後は都市部でも人口が減り、過疎をどのように考えたらいいかという大きな問題意識がありました。そのため、過疎という言葉について問題提起がなされています」と説明する。
懇談会の参加者からはさまざまな意見が上がっており、「国民への認知度が高い言葉なので継続したほうがよい」と見直しに反対する声も出ている。年内には提言をまとめる予定だ。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)