「負担の論議から、いつまで逃げ続けるのか」
今回の骨太の方針などの発表を受け、全国紙は一斉に社説(産経は「主張」)で取り上げたが、参院選を意識したのではないかなどと、概して厳しい評価だ。
朝日(6月24日)は「消費増税の10月実施を控え、その先を見据えた議論を始めるための節目の基本方針だ」と位置付けたうえで、「示されたメニューは比較的異論が少ないものばかり。難題に向き合おうという政権の意気込みは感じられない。これでは『骨太』の名に値しない」とバッサリ。具体的施策についても、就職氷河期世代支援や最賃1000円について「大事なのは、それをどう実現するのかだ。参院選向けのスローガンでは困る」、社会保障にも「給付を抑えるための施策と、必要な財源を確保するための税や社会保険料の引き上げのバランスを、どうとるのか。負担の論議から、いつまで逃げ続けるのか」と厳しい指摘が並ぶ。
日経(22日)も「7月の参院選を意識したのか、就職氷河期世代への支援や最低賃金上げなど有権者に聞こえのよい政策が並んだ。消費税率10%引き上げ後の社会保障・財政改革など国民の負担増につながる厳しい改革には踏み込まなかった」と手厳しい。社会保障について「持続性確保には、歳出抑制や負担増などの議論は避けられない。政府は国民に事実を正直に説明し政策を訴えるべきだ」と厳しく求める。
毎日(22日)は「最大のテーマは長寿化の進展に伴う人生100年時代への対応」と位置づけ、「明るい面ばかりでない。寿命が延びれば、それに応じて、老後生活への不安も膨らむだけに、その対応策も必須だ。にもかかわらず、そうした不安に向き合おうとしていない。高齢者にも働いてもらって、年金や医療など社会保障の支え手を広げる利点が強調されているだけだ」と書く。