板門店で行われた3回目の米朝首脳会談をめぐり、日本の存在感のなさが韓国メディアを中心に改めて取りざたされている。安倍晋三首相は大阪市で開かれていた主要20か国・地域(G20)首脳会議では議長を務めたが、閉幕翌日に「電撃会談」が実現したことでG20の存在感はかすんだ。
いわゆる「蚊帳の外」論をめぐっては、安倍氏が「日本のネットユーザーから嘲笑の対象になっている」として、安倍氏を揶揄する画像が拡散されていることを指摘するメディアもある。安倍氏は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と無条件で会談に臨みたい考えだが、7月2日付の労働新聞には陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備を非難する記事が載るなど、対日批判が緩む気配は見えない。
会談場所は韓国側施設...文政権も一定の役割か
G20が閉幕したのは6月29日で、米朝会談が行われたのは、翌6月30日。聯合ニュースは、7月1日、日本メディアが会談について号外を出したり、1面トップに据えたりと大々的に扱ったことを報じ、
「G20関連の報道は、終了から2日しか経っていないのに、見つけるのが難しいほど扱いが小さくなった」
「安倍政権は外交力を誇示しようと力を入れたが、朝鮮半島関連の話題に埋もれてしまった」
などと指摘した。
米朝首脳会談では、板門店の韓国側の施設で行われた。朝鮮中央通信が6月27日に
「朝米対話の当事者は文字通りわれわれと米国であり、朝米敵対関係の発生根源からみても南朝鮮当局が干渉する問題ではない」
という北朝鮮外務省米国担当局長の談話を配信していたこともあり、韓国が「蚊帳の外」だとみる向きもあったが、実際には韓国は相当程度の役割を果たしていたことが明らかになったわけだ。