2019年6月28、29日開催の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で振る舞われた「水素水」が、インターネット上で注目を集めている。
研究機関が「有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない」と発表するなど、しばしば議論を呼ぶ水素水。どういった経緯で配布されたのか。商品を提供した伊藤園と、事務局に聞いた。
伊勢志摩サミットでも採用
G20の会場となった「インテックス大阪」の国際メディアセンターでは、各国の記者向けに飲食物が振る舞われた。
その中に、飲料メーカー大手・伊藤園の「水素水」があった。310ミリリットルの缶入りで、同社の通販サイトでは1缶あたり約185円で販売されている。
水素水をめぐっては、女優の藤原紀香さんが紹介するなどしてブームとなったが、国立健康・栄養研究所は16年6月、「俗に、『活性酸素を除去する』『がんを予防する』『ダイエット効果がある』などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない」との見解を示した。
そうした背景もあり、G20での水素水の「採用」に違和感を覚える人は少なくなく、ツイッターでは「政府がお墨付きを与えるとは」「伊藤園の在庫処分ですかね?」といった声がある。
なお、16年のG7伊勢志摩サミットでも、伊藤園の缶入り水素水が配られた。