「生涯未婚率」は5年に1度のペースで算出される
「生涯未婚率」とは、厚生労働省の「国立社会保障・人口問題研究所」が5年に1度算出する「50歳時の未婚の割合」で、「45~49歳の未婚率」と「50~54歳の未婚率」を平均して算出する数字だ(ここでいう「未婚率」は、その時点で結婚していないのではなく、それまでに一度も結婚していないという意味)。最新は2015年にまとめられたもので、男性が23.4%、女性が14.1%となっている。昇太さんの場合は59歳で初婚であり、数値算出のためのデータとして捕捉すらされていないことになるため、正に、「生涯未婚率の定義を嘲笑」っていると言えるだろう。
一方、年代ごとの初婚率を見てみると、生涯未婚率の高さが解消されない実態が浮き彫りになってくる。同研究所がやはり2015年に発表した「年齢(5歳階級)別初婚率」を見てみると、公表されている階級で最高齢の「45~49歳」の階級で、男性は2.01%、女性は0.9%と、男女共に非常に狭き門を通過しなければならないことが分かる。
ただ、この「生涯未婚率」という用語については、使用を廃止しようとの動きもある。5月23日に共同通信は、「生涯未婚率」という用語について、政府が表現を変更し、「50歳時未婚率」に統一することが分かったと報じた。理由については、「50歳以降は結婚できないのか」といった意見があったとしつつ、「『生涯』という言葉は正確性を欠くと判断」されたためとしている。
それから2カ月もしないうちに飛び出した昇太さんの結婚報告。人生100年時代とも言われるこの時代に「生涯未婚率」という言葉は、それこそ「余計なお世話」以外の何物でもなくなっていくのだろう。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)