米側に「まともな対案」要求
2月の会談では、金氏が寧辺(ニョンビョン)の主要核施設廃棄と引き換えに制裁緩和を要求したのに対して、トランプ氏が拒否したことが決裂の原因になったとみられている。ここ数日の北朝鮮側の報道でも、制裁に批判的な談話が目立つ。6月26日付けの外務省スポークスマンの談話では、ポンペオ国務長官が制裁の重要性を強調したことを
「シンガポール朝米首脳会談で採択された朝米共同声明に対する正面切っての挑戦であり、対朝鮮敵対行為の極みである」
などと非難。6月27日には、外務省の米国担当局長が、
「米国と対話を行おうとしても、協商の姿勢が正しくなくてはならず、言葉が通じる人と協商すべきであり、まともな対案を持って出てこそ協商も開かれる」
などとして、「まともな対案」が対話の前提だと主張している。「対案」は制裁の解除や段階的な非核化を指しているとみられ、実務者協議でも焦点になりそうだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)