日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は2019年7月1日、2019年度、2020年度の人事として、元早稲田大学監督、元ヤマハ発動機ジュビロ監督等で活躍した清宮克幸さんを副会長として迎えることを正式に発表した。同会見に登壇した清宮さんは、一貫して「攻め」の姿勢で、今後の日本ラグビー界を盛り上げることを宣言した。
織田信長、曹操、ナポレオンに通じる強烈さ
清宮さんは会見の冒頭で、
「今の自分に求められること、自分にできること、自分にしかできないことをしっかり受け止めて、日本のラグビーの『未来』をしっかり作って行けるような仕事をしたいと思っています。それが、私の使命かなと思って頑張ります」
と、所信表明を行った。
清宮さんは、6月29日の理事会で副会長に就任することが決定。オファーがあってからの約1カ月を振り返って、
「嵐のような1カ月でしたね。でも、自分から『こういうことをやりたい』と手を挙げてもできない話。お話をいただいて『僕にしかできない』と思って、快諾しました」
早大ラグビー部OBの記者は、プレー、コーチング、選手にかける言葉...幾度となく、清宮さんの姿を見て来た。今回の協会人事を見て「来るべき人が来た!」と、正直に思う。
昨今、主将や監督、または会社の上司において「リーダーシップ」「フォロワーシップ」といった言葉がよく使われる。これまで記者が見てきた清宮さん像は、明らかに前者だ。常に先頭に立って仲間を引っ張る姿は、さながら織田信長、三国志の曹操、ナポレオン...といった歴史の創造者を彷彿(ほうふつ)とさせる。
そのイメージよろしく、「日本ラグビーをより活性化するためには?」という課題について、清宮さんはこう答えた。
「『攻めるべきは攻めて、守るべきは守る』...このバランスですね。でも『守るべきを守る』ためには、『先に攻めなきゃダメだ』と思っていて。この『攻める』部分を、僕がしっかりリーダーになってやっていきたいと思う」
実は下戸で子煩悩...意外な一面も
清宮さんは現役時代、FL(フランカー)やNo.8(ナンバーエイト)として活躍。早大、サントリーでも主将を務め、現役引退後の監督業は、もはや語るべくもない。強烈なリーダーシップを発揮し、豪放磊落(ごうほうらいらく)なイメージの強い清宮さんだが、実は...お酒が1滴も飲めない「下戸(げこ)」なのだ。
以前、記者も「今度、飲みに行きましょうよ!」と誘ったことがあったが、「オレ、下戸なんだよ。メシだったらいいよ」。酒造メーカーのサントリーで活躍した清宮さんにとっては、意外な一面でもある。
また清宮さんといえば、プロ野球・日本ハムの清宮幸太郎選手のパパ。因みに次男の福太郎選手も高校野球で活躍している。就任会見では、
「高校野球の応援も、プロ野球の応援も行かないといけないんだけど...ね」
と話し、会場を笑わせた。
ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の開幕まで3カ月を切った。日本代表の活躍、大会の成功はもちろん、大会後の日本ラグビーに清宮さんは何を仕掛けるのか? さまざまな「化学反応」を期待すると、ワクワクが止まらない。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)