「即効薬」で浮上の野村HD 問題はこれが「いつまで」続くか、だが...

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   業績悪化、企業統治不信と歩調を合わせるように低迷していた野村ホールディングス(HD)の株価が、2019年6月19日の東京株式市場で、大規模な株主還元策を材料に浮上した。

   その後も株価は崩れずに推移してはいるが、「アベノミクス」以後のピーク(2013年5月の980円)の半値以下にとどまっており、本業で回復できるかを市場が注視している。

  • 野村ホールディングス本社(Lover of Romanceさん撮影、Wikimedia Commonsより)
    野村ホールディングス本社(Lover of Romanceさん撮影、Wikimedia Commonsより)
  • 野村ホールディングス本社(Lover of Romanceさん撮影、Wikimedia Commonsより)

「過去最大規模」の自社株買い

   株価浮上のきっかけは6月18日の取引終了後に発表した自社株買いだ。1500億円、3億株(発行済み株式の8.6%)を上限とするもので、野村HDの自社株買いとしては過去最大規模とされている。期間は6月19日~2020年3月31日。買い入れの原資として、グループで保有する野村総合研究所(NRI)の株式売却で得られる約1600億円を充てることも発表した。NRIが実施する自己株式の公開買い付け(TOB)に応じる形でNRI株を売却する。野村HDがグループとして保有するNRI株の比率は約37%から約23%に低下する。

   発行済み株式数を減らす自社株買いは1株当たりの利益や資産価値を向上させ、投資家にとっては1株当たりの配当金の増加を期待できる。上場企業にとって株価底上げの即効薬とも言える。

   「薬」の効き目は確かだったようで19日の株価は急伸し、前日終値比10.5%(36円)高の377円50銭まで上昇し、これが終値となった。当日安値(365円20銭)が前日高値(349円20銭)を上回り、チャート図に「窓をあける」節目の展開にもなった。その後も終値が19日を上回る日が続いている。

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