FBが「さすがの嗅覚」で新仮想通貨 従来組と何が違うのか

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「国家の仕事だ」と不快感

   このようにリブラは各国の法定通貨の代わりとなり、巨大な「リブラ通貨圏」が誕生する可能性を秘めている。通貨の発行は国家にとって主権そのもの。各国の中央銀行や金融当局は、発行されれば直接コントロールできないリブラに対して警戒感を強めている。英国の中央銀行であるイングランド銀行のカーニー総裁は「金融当局は通貨や金融安定への影響を慎重に検討する必要がある」との考えを表明し、フランスのルメール経済・財務相は「リブラがやろうとしていることは国家の仕事だ」と不快感を隠さない。フェイスブックが誕生した米国でも、議会下院金融委員長が開発停止を求める声明を発表したほどだ。

   リブラを開始するには各国の金融当局から何らかの承認を得る必要があり、フェイスブックは折衝を始めている模様だが、マネーロンダリングやテロ資金調達にリブラが悪用される懸念が指摘されている。G7議長国であるフランスは、G7各国にリブラのリスク分析を要請した。フェイスブックは2018年に個人情報の大規模な不正利用が発覚したばかりで、リブラで不正が起きれば被害は甚大だけに、この面でも警戒感は強い。サービス開始に向けて、まだまだ紆余曲折は避けられそうにない。

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