下着に「KIMONO」命名→抗議署名2万超 でも着物普及団体は「心配していません」

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   ラッパーのカニエ・ウェストさん(42)の妻で、米人気タレントのキム・カーダシアンさん(38)が発表した補正下着ブランド「KIMONO(キモノ)」をめぐり、国内外で議論となっている。

   SNS上では「文化の盗用だ」「着物が下着を意味する、というイメージが広まってしまう」と批判が相次ぐが、着物団体は「着物のイメージが低下することは無いと思います」と冷静だ。

  • 補整下着ブランド「KIMONO」
    補整下着ブランド「KIMONO」
  • キム・カーダシアンさん(右は夫のカニエ・ウェストさん)
    キム・カーダシアンさん(右は夫のカニエ・ウェストさん)
  • 補整下着ブランド「KIMONO」
  • キム・カーダシアンさん(右は夫のカニエ・ウェストさん)

15年間の構想も...

   キム・カーダシアンさんは2019年6月25日(現地時間)、補正下着ブランド「KIMONO」をツイッターで発表した。

   下着ブランド発売に向けては15年間情熱を燃やし、昨年から制作を続けてきたという。「これまで、自分の肌の色に合う補正下着が見つからなかったことが何度もあり、解決策が必要だった」とし、サイズはXXSから4XLまで、カラーは9色を揃える。

   だが、日本の伝統衣装がブランド名に冠されており、さらに「KIMONO」の商標出願もしていたことがわかり、SNS上では

「文化の盗用だ」
「海外で着物=下着というイメージが広まってしまう」
「商標が許可されたら、米国でkimonoって単語を使って広告すらできなくなる」

と国内外から批判が寄せられている。抗議の意を示す「#KimOhNo」(キム、オーノー)とのハッシュタグも作られ、署名サイト「Change.org」では抗議の呼びかけが2万500筆集まっている(28日現在)。

   「文化の盗用(Cultural appropriation)」とは、ある文化圏の人々が異なる文化を搾取的に利用すること。特に、マイノリティの文化が本来の意味や伝統を理解されないまま、娯楽的・商業的に使われる際に用いられる。

「騒いで喜ぶのは、キム・カーダシアンさんでしょう」

   業界関係者はどう見るか。一般社団法人現代着物協会の小野宏積・代表理事は28日、J-CASTニュースの取材に「今回の騒動で着物のイメージが低下することは無いと思いますので、心配はしていません」との見解を示した。

   着物は、腹部にタオルを巻いたりして体のメリハリをなくす衣服なので、逆にメリハリを強調する「KIMONO」には違和感を覚えるとしつつ、「騒いで喜ぶのは、キム・カーダシアンさんでしょう」「海外からのお客様の対応をしていて、現場では、着物は『KIMONO』が世界語になっているからです」といたって冷静だ。

   しかし、着物のイメージとかけ離れたブランドのため、「できたら、自主的にブランド名を変更して欲しいですね」(小野さん)

   J-CASTニュースは26日、ブランドサイトの問い合わせ欄を通じ、「KIMONO」の販売元に見解を求めたが、28日16時時点で回答はない。

   米紙ニューヨーク・タイムスの27日付記事によれば、キム・カーダシアンさんは「日本の文化である着物の重要性を理解しており、深い尊敬がある」とし、「着物に似た商品や無礼にあたる商品を、デザインしたり販売したりする予定はない」とコメント。

   商標については、「私の補正下着ブランドなどで言葉を使える様にするためで、誰かが着物を作ったり、伝統衣装を指す際に使ったりすることを阻んだり制限するものではありません」としている。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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