絶対の自信を見せるネリの「慢心」
ともに好戦的なタイプで、左フックを強振してくる。サウスポー同士の一戦だけに本来ならば、右のジャブが大きなカギとなってくるが、左右フックを振り回す「大味」なスタイルのネリは、パヤノ戦でも一発狙いで左フックを強振するだろう。井上の70秒KOを意識するかどうかは不明だが、全米生中継ということもあり、より攻撃的なスタイルでくることが予想される。
一方のパヤノも大舞台で井上戦の汚名を返上したいところだ。スピードとパンチ力で上回るネリを攻略するには、ネリの防御の甘さをつくことだろう。ネリは左フックを放つ際、大振りのあまり一瞬、アゴがガラ空きになるシーンが見られる。連打を放つ際もガードが甘く、パヤノはカウンターでそこを突きたいところだ。元スーパー王者だけにパンチの当てカン、駆け引きに長けており、3月の復帰戦では豊富なスタミナを見せつけた。
いずれにせよ、井上がパヤノを下した時のような70秒早期決着はないだろう。互いが得意にしている左フックの応酬で、泥臭い打ち合いが予想される。場外トラブルについて、今なお反省の色が見られないネリ。王座返り咲きに絶対の自信を見せる「問題児」だが、元スーパー王者にその「慢心」を突かれて初黒星の可能性は十分にあるだろう。