通常国会が会期末を迎え、参院選の事実上の選挙戦に突入した2019年6月26日、安倍晋三首相が記者会見に臨んだ。会期中は、たびたび「悪夢のような民主党政権」などと繰り返し、批判を受けてきた安倍首相。
今回の記者会見でも、07年夏の参院選での自民党惨敗が「民主党政権」誕生につながったことを「悔やんでも悔やみきれない」とした上で、参院選の争点には「安定した政治」を挙げ「あの混迷の政治には二度と逆戻りをさせてはならない」と主張。民主党政権への非難を繰り返した。
「12年前の深い反省が今の私の政権運営の基盤に」
安倍氏は会期末を迎えた通常国会で、幼児教育と保育を無償化するための改正子ども・子育て支援法が成立したことを念頭に、「全世代型社会保障元年」を迎えたと指摘。その上で、「消えた年金」が問題化し、第1次安倍政権で惨敗した07年の参院選の「反省の弁」を、民主党政権への皮肉を交えながら述べた。
「平成の時代、こうした課題は長く放置されてきた。決められない政治、不安定な政治のもとで、総理大臣は毎年のようにころころと変わった。そのきっかけを作ったのは私の責任だ。12年前、夏の参院選で自民党は歴史的な惨敗を喫した。国会ではねじれが生じ、混乱が続く中、あの民主党政権が誕生した。悔やんでも悔やみきれない。12年前の深い反省が今の私の政権運営の基盤になっている。新しい令和の時代を迎え、あの混迷の政治には二度と逆戻りをさせてはならない」