青汁の通信販売を手がける健康食品会社「メディアハーツ」の三崎優太・元社長(30/2019年6月12日付で社長を辞任)が脱税容疑で逮捕され、「業界全体の印象が悪くなった」などとして、健康食品販売会社「ユーワ」が約1億400万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしたことが分かった。
三崎氏はJ-CASTニュースの取材に「私が捕まったから損害が出たというのは請求として成り立つはずがない」と反論する。
ドラッグストアなどに「書面」も
提訴は2019年4月19日付。第1回口頭弁論が7月、東京地裁で開かれる予定。
訴状によると、メディアハーツが販売する「すっきりフルーツ青汁」とユーワの「おいしいフルーツ青汁」のパッケージが酷似しているとして、メディアハーツは17年にドラッグストアなどに販売停止を求める書面を送付し、その上で三崎氏がツイッターで「模倣品を作られてしまいました」と投稿するなどしたため、売り上げの減少につながったと主張。
さらに三崎氏が19年2月、法人税など計約1億8000万円を脱税した容疑で逮捕されたこともあり、「青汁を取り扱う業界全体の印象が悪くなった」「原告は被告と同類と思われるようになったため、同業他社から、原告は疑いの目でみられるようになった」として、計1億429万119円の損害賠償と謝罪文の提出を求めている。
メディアハーツのすっきりフルーツ青汁は14年に販売開始し、累計1億3000本以上を売り上げるヒットとなった。一方、ユーワのおいしいフルーツ青汁は17年に発売されている。
なおメディアハーツは17年8月、両商品のパッケージが似ているため誤認を招くと消費者からクレームがあり、ユーワに対し販売差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。しかし、18年2月に申請を却下されている。
三崎氏の受け止めは?
三崎氏は6月12日、J-CASTニュースの取材に「私が捕まったから損害が出たというのは請求として成り立つはずがない」と反論。
ドラッグストアなどにおいしいフルーツ青汁の販売停止を求める書面を送付した点については、「うちの青汁と間違えてユーワの商品を買ってしまったとのクレームが殺到していた。競合が現れるのは仕方がないが、消費者を誤認させるような商品はどうなのか」と異議を唱えた。メディアハーツ広報は「係争中の事案なのでコメントは差し控えたい」とした。
一方、ユーワは「本件については進行中で先方の反応も分からない状況なので、回答することはない」と述べるにとどめた。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)