翻訳担当者に取材すると...?
Netflix版では総じてカヲルからシンジへの感情表現がマイルドなものになっている。この字幕を見た海外のファンは少なからずショックを受け、ツイッターなどでは字幕改変への怒りや悲しみを訴えるファンの投稿が多く共有された。
24話の一連の台詞は名台詞としてファンに記憶されていたものだけに、字幕とはいえ慣れ親しんだ台詞が変わったように映ったことは衝撃的だったようである。
海外の視聴者の具体的な反応は、以下のようなものだった(すべて編集部訳)。
「エヴァのカヲルとシンジの仲を規制するなんてNetflixふざけるな」
「カヲルとシンジがただの友達のように描かれるなんて、エヴァのみどころがなくなる」
「Netflixはカヲルになぜこんなことをしたの?『I love you』はすごく大事なセリフなのにどうして」
といった反発もある一方、翻訳は妥当だと指摘する声もあった。さらに「love」と「like」のどちらがよりふさわしいか、日本語の台詞と比較して考察を試みるファンも現れた。他方で、
「Netflixのエヴァの翻訳がメチャクチャでもそうでなくても、エヴァをもう一度観られるのがうれしい」
「Netflix版の翻訳がどんなにまずいかの言い争いがきっかけでもう一度エヴァを観てみて、どれだけ素晴らしい作品かわかった。ミサトさんになりたい」
と、配信を喜ぶ視聴者の声もネットに投稿されている。
一方、Netflix配信版の翻訳を行った兼光ダニエル真さんは、6月25日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「今回の翻訳はゼロベースでから構築したものであります。昔ADV社様が行った翻訳とは無縁です」
とコメントした。言語の違いとファンの微妙な感情が、「love」と「like」をめぐる論争に現れた形だ。