立憲民主党は2019年6月24日、夏の参院選向けの公約「立憲ビジョン2019」を発表した。「3つのパラダイムシフト」をうたい、そのひとつとして個人消費を回復させることを訴えた。
10月に10%の引き上げが予定されている消費税については、引き続き「引き上げ凍結」を打ち出した。野党では消費税引き下げや廃止をうたう勢力も存在感を増しており、一定の距離を置いているともいえる状態だ。記者からは、「立憲民主党が野党共闘の足並みを乱している形になっている」という批判も出たが、枝野幸男代表は「『ご意見』をおうかがいする場だとは思っていない」と一蹴した。
「年金」「消費税」、争点化を避けた?
表紙には、枝野氏が東日本大震災直後(当時官房長官)に「#枝野寝ろ」、立憲の結党時に「#枝野立て」といったハッシュタグが流行ったことを念頭に、「#令和デモクラシー」を掲げた。内容の柱になる「3つのパラダイムシフト」では、「ボトムアップ経済への転換」「多様性を力にする社会への転換」「参加型政治への転換」をうたったが、国会審議でクローズアップされている年金や消費税への記述は控えめだ。それぞれ、「老後の安心を高める」と題した経済に関する2番目の項目、欄外で扱うにとどめた。消費税については
「消費税率10%への引き上げは凍結します。金融所得課税や法人税などを見直し、税の逆進性を強化して公平な税制へ転換します」
とした。
この2点について争点化を避けたのではないか、という指摘に、枝野氏は
「野党第1党として、網羅的に、我々の目指す社会につながる全体的な政策を、今回は提起させていただいている。その中で何が争点になるのかというのは、最終的には有権者の判断でもあるし、有権者の関心に合わせて、そのなかのどの部分を街頭演説で訴えていくかは、今日、全体像としてお示ししたものとは全く別問題」
などと反論。消費税引き上げ「凍結」については、
「これ(凍結)ではデフレ脱却は無理」
「立憲民主党が野党共闘の足並みを乱している形になっている。政権交代する気がないと言われても仕方がない」
といった批判めいた質問が出た。