90席級が「M90」、70席級はなぜか「M100」
その立て直しに向けたもう一つの動きが、米国市場向けに小型化した新型機を投入する計画だ。現在開発しているのは90席級で、新型機は70席級だ。90席級は全日本空輸(ANA)を最初の納入先として受注しており、日本仕様で開発を進めてきた。しかし、小型ジェット旅客機の最大の市場である米国では、国内規定の関係で70席級が主流になっている。三菱重工業は規定が緩和されると見込んで90席級の開発を進めていたが緩和は実現しておらず、90席級では米国での販売先が限定されてしまう。
「スペースジェット」への改称も、そうした流れの中にある。これからは90席級を「スペースジェットM90」、70席級を「スペースジェットM100」と呼ぶという。70席級が「M70」ではない理由を三菱側は明らかにしていないが、この二枚看板で世界の航空会社に対して「乗客の満足度を高めるとともに著しく収益の向上を実現できる」(三菱航空機の水谷久和社長)としてセールスをかけていく。