チケット転売禁止法、早くも透ける限界 施行でどこまで「変われる」のか

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善意の購入者には難しい「区別」

   西山社長は取材に対し、

「業としての高額転売については、高額のチケットを反復して出品している出品者は『業として』行っている可能性が高いとみなし、出品を取り下げさせる、購入経緯を問うなどの措置を行い、できる限り不正転売阻止に努めています」

と答えた。とはいえチケットストリートなどもあくまで二次流通サイトであり、出品者に代わってチケットを確認できるわけではない。前述のように高額で転売されていてもそれが特定興行入場券に該当しなければ、また業とみなされるほどに転売を繰り返していなければ、出品者に言い逃れの余地がある。つまりは出品者が特定興行入場券にあたらない、あるいは1回限りだからと考えて高額転売を試みれば、それをサイト運営者が強権的に阻止することは難しい。

   チケットストリートでも、「チケット不正転売禁止法の施行にあたっての当社の運用について」掲示し、出品者・購入者双方に確認を呼び掛けているが、「都合が悪くなったがための転売」と「はじめから転売目的で購入しての転売」の区別は善意の購入者には難しい。施行前と変わらず高額転売チケットが出回っている現状を見ても、出品者・購入者どちらの目線でも、施行前と環境はあまり変わっていない――そんな見方もできる。

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